4 「…と、いうわけで、ロケット団とかいう悪ガキどもが、まぁた悪さを始めたようでな」 立ち話も何なので、と私たちはおじいさん…ガンテツさんの自宅に案内された。 ガンテツさんが言うには、3年ほど前に壊滅したはずのロケット団が何故か再び動き出したらしく、このヒワダタウンのヤドンを片っ端から掠い、そのしっぽを切り……売りさばいている、という。 その光景を想像し、思わず眉を潜める。 同席した蒼衣や風音も同じく苦い顔をしている。 「よっしゃ、じゃあわしは今からもう一度奴らのとこに脅かしにでも行くかな」 話を終え、パンと膝を打ってガンテツさんは言い、私が口を挟む隙もなく…家を飛び出した。 (前々から思っていたのだけれど、この世界の人は人の話を聞かない人が多い気がするんだけれど、気のせいだろうか) 「ね、カナエ。どうすんの?」 ちょいちょい、と袖を引き風音が言う。 どうするったって…そんなの、 「ほっとけるわけ、ないじゃないの」 実際に現場に居合わせて、話も聞いて。 これで無視できるような腐った人間ではないつもりだ。 行こう、と私たちも立ち上がり、ガンテツさんのあとを追って、先程のヤドンの井戸へと急いだ。 |