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…と、意気込んで来たはいいものの。
繋がりの洞窟、とはいうけれど、ヒワダタウンまでの最短ルートを通るとなれば案外その道のりは短いようだ。
中に居るトレーナーたちとのバトルも、山男相手なら翡翠との相性も悪くなく、思ったよりあっさりと洞窟を抜ける…かと思ったが、歩みを進めるにつれ、キリキリと頭を締め付けられるような感覚に襲われた。
ここしばらくご無沙汰だったが、私にとっては馴染みある頭痛。

「カナエ、大丈夫?」

蒼衣が顔を覗き込み、尋ねてくる。
平気、と返したものの、頭痛は治まるわけでもなく。
そうだ、薬…こちらに来る前に買った薬を鞄の奥から発掘し、1錠口に含む。
即効性はないものの、もうしばらくもすればマシにはなるはず。
そうこうしているうちに出口まで辿り着いた、が。

「あらまー」

繋がりの洞窟を抜けると、やはりそこは雨模様。
やだなぁ、実際雨が降ってるのを見たら、余計に頭痛が酷くなりそうだ。
洞窟で少し雨宿りをするか、それとも強行突破か。

少し悩んで、雨宿りをしようと適当な岩に腰を落ち着けてしばらく。
雨が止む気配はない。
前をちらほらと通り過ぎるトレーナー。
やがて、そのうちの1人が少し進んだところで引き返してきて、言った。

「お嬢ちゃん、雨宿りかい?それなら止めたのがいいよ、洞窟出たところは年中雨だからさ」

じゃあな、と言って颯爽と去っていく山男さん。
…えーと。

「…いこっか」

雨がやまないのならば、ここに留まっても時間が経つだけだ。
仕方なく腰を上げて、再び洞窟の出口へと向かった。


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