2 …と、意気込んで来たはいいものの。 繋がりの洞窟、とはいうけれど、ヒワダタウンまでの最短ルートを通るとなれば案外その道のりは短いようだ。 中に居るトレーナーたちとのバトルも、山男相手なら翡翠との相性も悪くなく、思ったよりあっさりと洞窟を抜ける…かと思ったが、歩みを進めるにつれ、キリキリと頭を締め付けられるような感覚に襲われた。 ここしばらくご無沙汰だったが、私にとっては馴染みある頭痛。 「カナエ、大丈夫?」 蒼衣が顔を覗き込み、尋ねてくる。 平気、と返したものの、頭痛は治まるわけでもなく。 そうだ、薬…こちらに来る前に買った薬を鞄の奥から発掘し、1錠口に含む。 即効性はないものの、もうしばらくもすればマシにはなるはず。 そうこうしているうちに出口まで辿り着いた、が。 「あらまー」 繋がりの洞窟を抜けると、やはりそこは雨模様。 やだなぁ、実際雨が降ってるのを見たら、余計に頭痛が酷くなりそうだ。 洞窟で少し雨宿りをするか、それとも強行突破か。 少し悩んで、雨宿りをしようと適当な岩に腰を落ち着けてしばらく。 雨が止む気配はない。 前をちらほらと通り過ぎるトレーナー。 やがて、そのうちの1人が少し進んだところで引き返してきて、言った。 「お嬢ちゃん、雨宿りかい?それなら止めたのがいいよ、洞窟出たところは年中雨だからさ」 じゃあな、と言って颯爽と去っていく山男さん。 …えーと。 「…いこっか」 雨がやまないのならば、ここに留まっても時間が経つだけだ。 仕方なく腰を上げて、再び洞窟の出口へと向かった。 |