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辺りに、誰も居ないことに。


今は夕暮れ。
夕飯の支度を控えた主婦や家路に付く子供達で賑わう時間帯。
現に、さっきまでスーパーの中も外もごった返していたのに。

どうして、誰一人として居ないのか。

おかしい。おかしいおかしいおかしいおかしい。

ねえ、誰か。

街は静かだった。
静か過ぎるくらい、静かだった。
先程まで賑わっていた様子はそのままに、人だけ消えてしまったような不思議な景色。
足下の歪みは一度弱まり、膝の辺りまで飲み込まれただろうか。身体に力が入らない。


「何なのよ…もう…!」


そう、呟いたとき。

遠くの方で雷が鳴った。
続いて、辺りが眩しい光に包まれる。

あれ?
普通逆じゃない?
雷って、光が先に見えるんじゃない?

そう思っているうちに辺りは段々強い光に包まれ、真っ白になって、そして。

私は、そこで意識を手放した。

うっすらと覚えているのは、小さな小さな…子供の手のようなものに手を引かれて、ふわふわと彷徨ったような、そんな朧げな記憶。
そして、シャラシャラという鈴のような音。


目を覚ましたとき、そこに何が待ち受けているのか。
この時の私は、知る由もなかった。


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