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「さて、風音。静電気でびっくりしたのはわかるけど、どうしてなぎを攻撃したの?」

なぎだって、やりたくてやってるわけじゃないんだよ、と。
すると風音は、だって、と言い、

「アタシだって電気は苦手なのよぅ」

いつも勝ち気で強気な風音にしては珍しく、もごもごと呟くように言った。
つまり、電気が苦手なのに突然静電気に襲われて、驚いてつい手が出てしまったのだという。
まあ、風音らしいといえば風音らしい…か。

「あの、風音ちゃん…!」

なぎが口を開く。

「ごめんね、私、そんなつもりはなかったんだけど、風音ちゃんが厭ならあまり触れないようにするから、」

だから、と続けたなぎの言葉を遮り、風音が口を開いた。

「待って、なぎ。アタシ、電気は確かに嫌いだけど、別にあんたのことが嫌いなわけじゃないから」

ていうか、ぶっちゃけ女の子増えて嬉しかったし、とぼそりと付け足す。

「え…?」

「だからさ、その……、ごめん!」

謝り慣れていないのか、かなり照れ臭そうだったけれど。
私が口を出すまでもなく、風音は自分の口で、謝った。

「…!風音ちゃん!」

感極まったなぎがぎゅう、と風音に抱き着く。

「ちょ、なぎ!ギブ、ギブ!!」

案の定、静電気に触れた風音が手足をばたつかせたけれど、もうその顔に嫌悪の色は少しもなかった。


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