4 「さて、風音。静電気でびっくりしたのはわかるけど、どうしてなぎを攻撃したの?」 なぎだって、やりたくてやってるわけじゃないんだよ、と。 すると風音は、だって、と言い、 「アタシだって電気は苦手なのよぅ」 いつも勝ち気で強気な風音にしては珍しく、もごもごと呟くように言った。 つまり、電気が苦手なのに突然静電気に襲われて、驚いてつい手が出てしまったのだという。 まあ、風音らしいといえば風音らしい…か。 「あの、風音ちゃん…!」 なぎが口を開く。 「ごめんね、私、そんなつもりはなかったんだけど、風音ちゃんが厭ならあまり触れないようにするから、」 だから、と続けたなぎの言葉を遮り、風音が口を開いた。 「待って、なぎ。アタシ、電気は確かに嫌いだけど、別にあんたのことが嫌いなわけじゃないから」 ていうか、ぶっちゃけ女の子増えて嬉しかったし、とぼそりと付け足す。 「え…?」 「だからさ、その……、ごめん!」 謝り慣れていないのか、かなり照れ臭そうだったけれど。 私が口を出すまでもなく、風音は自分の口で、謝った。 「…!風音ちゃん!」 感極まったなぎがぎゅう、と風音に抱き着く。 「ちょ、なぎ!ギブ、ギブ!!」 案の定、静電気に触れた風音が手足をばたつかせたけれど、もうその顔に嫌悪の色は少しもなかった。 |