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「風音ー!どこに居るのー?!」

あれからしばらく、ポケモンセンターの周辺から街の端まで走り回ったが、風音は見つからない。

「蒼衣…風音の声、聞こえたりしない?」

蒼衣は辺りの様子を伺い、首を小さく横に振った。

「だめ、少し遠い」

この辺りにはいない…か。
どうしよう、もう陽もすっかり落ちたのに…

「…あ、」

「どうしたの、カナエちゃん?」

そうだ…うっかりしてたけど、風音は多分トリ目だから暗いところでは自由に動けないはず…
あの子が飛び出したとき、陽は落ち始めていた。

つまり、

「皆、ポケモンセンターまで戻るよ!」

多分、風音はポケモンセンターの近くに居る。
確証はないけれど、そんな気がした。


走って、はしって、振りだしに戻って来た。
もう一度丁寧に、丁寧に辺りを見回す。
すると、さっきは見落としていた、ポケモンセンターの少し奥まったところにある木が目に留まった。

「風音…いるの?」

呼びかけると、小さくポポ、と鳴く声が返ってきた。

「怒らないから出ておいで、風音」

すると、ガサガサと動く気配がして、そして。
いつの間に擬人化していたのか、少女の姿の風音は枝から飛び降り、私の腕の中に、抱き着いた。

少しばつの悪そうな顔をしていたけれど、安堵の方が大きいようだった。


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