5 「メェ?!」 聞こえてきたのは、蒼衣ではなくなぎの声。 「え、ちょっと蒼衣?何かした?」 すると蒼衣は小さく「あ、」と言って、そして続けた。 「僕の特性、シンクロ」 シンクロ…則ち、毒、麻痺、火傷を相手に移す。 「あーらら…」 悪気はないとはいえ、なぎはびっくりしただろうな。 「蒼衣もなぎも、お互いごめんなさい、は?」 「なぎ、ごめんね。それと、よろしくね」 「メェ」 二人とも謝って、仲直り。 なんだか最近、すっかり保育士な気分だけれど、これはこれで楽しいのかもしれない。 「よーし、そしたら今度こそ皆でポケモンセンターに帰ろっか!」 「帰ろー!」 右手に蒼衣、左手に翡翠と手を繋ぎ、その横になぎが並んでなんだかすごく賑やかになった。 ポケモンセンターまであともう少し。 新しく加わったなぎを見て、風音が大騒ぎするのは、また別のお話。 |