4 「大丈夫、私たちはきみを歓迎するよ」 そう言って、私はメリープを抱きしめた。 身体にぴりぴりと静電気が走る。 でも、それは君が確かにここにいる証だから。 「これからよろしくね…なぎ」 「なぎ?」 「そう、なぎ。優しいキミにぴったりの名前」 とても悲しい思いをした君だから、その先にはきっと楽しいことが待っているはず。 「いい名前だね、カナエちゃん!」 メェ!とメリープ…なぎが鳴いた。 その声にもう悲しみの色はなかった。 「さて、そろそろポケモンセンターに戻ろうか」 風音の治療も終わる頃だ。 「風音、びっくりするね!」 「そうだね、いきなり新しい友達が増えたんだもんね」 こくん、と隣を歩いていたなぎが首を傾げた。 「翡翠の他にもお友達が居るんだよ」 そうだ。 「蒼衣、出ておいで」 ボールから蒼衣を出してやる。 すると、蒼衣となぎは不思議そうにお互いを見つめ合う。 「蒼衣、なぎと仲良くするんだよ」 ちょいちょい、と蒼衣はなぎの方へ手を伸ばし、触れようとする。 すると、静電気にびっくりしたのか慌てて手を引っ込めた。 びっくりした反動でか、少年の姿になってしまっている。 と、そのとき。 |