3
そのとき。
ぐにゃり。
何だろう、柔らかいものを踏んだような感触。
なんだろう……まさか、猫?
いや、そんな柔らかさじゃなくて、もっとこう……地面に引きずり込まれるような。
ずる……ずるり……
足下が、ゆるゆると揺らぐ。
きっと底なし沼に足を踏み入れる時はこんな感覚なのだろうか。
意外にも頭は冷静で、そんなことをふと考えた。
違う、そうじゃない。
早く助けを求めないと、
「誰か……、」
助けて、と言おうとした時。
気付いた。気付いてしまった。
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