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「ピジョン、こっちも電光石火だ!」

それは瞬き1つする間の出来事。
確かに、動いたのは風音の方が早かった。
早かったのに、先制したのは、

……ピジョン。


「風音!」

駄目だ、もう戦えない。
お疲れ様、と風音をボールに戻す。

「蒼衣!」

お願い、蒼衣。
そう祈るように呟くと、蒼衣は一度振り返って頷いた。

「ラルトスか…ジョウトでは珍しいポケモンだな」

ピジョン、電光石火!と、ハヤトさんはピジョンに指示を出す。
蒼衣は物理ダメージに弱い…あまり攻撃を受けないようにしなければ。

「蒼衣、影分身!」

サササ、と幾重にも蒼衣の影ができる。
ピジョンは迷わずそのうちの1体に電光石火を喰らわせる。

お願い、外れて…!

ス、と蒼衣の影が収束する。
そこに居たのは、

「よし…!」

無傷の、蒼衣。
よかった、外れた…!
でも、油断はできない。相手はもう体勢を立て直している。

「蒼衣、マジカルリーフ!」

「飛行タイプに草タイプの技…馬鹿にしているのか?ピジョン、風起こしだ!」

それは全くの同時だった。
しかし、私だってわかっている。飛行タイプに草タイプの技はあまり効果はないことは。

だって、私の狙いは、

「ピジョン?!」

マジカルリーフ…相手を追跡する、不思議な葉っぱ。
如何にピジョンが素早くても、避けられない。
小さな葉っぱはピジョンに纏わり付き、ピジョンの注意を逸らす。

…今だ!

「蒼衣、念力!」

つまり、マジカルリーフは攻撃の手段ではなく、囮として使ったのだ。
自分の身体に纏わり付く葉っぱを避けようと、蒼衣に対する注意が弱まった瞬間。
その瞬間が、私の狙いだった。

蒼衣の念力がピジョンを襲い、そして



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