4 「ピジョン、こっちも電光石火だ!」 それは瞬き1つする間の出来事。 確かに、動いたのは風音の方が早かった。 早かったのに、先制したのは、 ……ピジョン。 「風音!」 駄目だ、もう戦えない。 お疲れ様、と風音をボールに戻す。 「蒼衣!」 お願い、蒼衣。 そう祈るように呟くと、蒼衣は一度振り返って頷いた。 「ラルトスか…ジョウトでは珍しいポケモンだな」 ピジョン、電光石火!と、ハヤトさんはピジョンに指示を出す。 蒼衣は物理ダメージに弱い…あまり攻撃を受けないようにしなければ。 「蒼衣、影分身!」 サササ、と幾重にも蒼衣の影ができる。 ピジョンは迷わずそのうちの1体に電光石火を喰らわせる。 お願い、外れて…! ス、と蒼衣の影が収束する。 そこに居たのは、 「よし…!」 無傷の、蒼衣。 よかった、外れた…! でも、油断はできない。相手はもう体勢を立て直している。 「蒼衣、マジカルリーフ!」 「飛行タイプに草タイプの技…馬鹿にしているのか?ピジョン、風起こしだ!」 それは全くの同時だった。 しかし、私だってわかっている。飛行タイプに草タイプの技はあまり効果はないことは。 だって、私の狙いは、 「ピジョン?!」 マジカルリーフ…相手を追跡する、不思議な葉っぱ。 如何にピジョンが素早くても、避けられない。 小さな葉っぱはピジョンに纏わり付き、ピジョンの注意を逸らす。 …今だ! 「蒼衣、念力!」 つまり、マジカルリーフは攻撃の手段ではなく、囮として使ったのだ。 自分の身体に纏わり付く葉っぱを避けようと、蒼衣に対する注意が弱まった瞬間。 その瞬間が、私の狙いだった。 蒼衣の念力がピジョンを襲い、そして |