2 うぅ…やだなぁ、床があんなに遠い。 少しずつ、にじり寄るように歩みを進める。 もちろん、下は見ないように。 私のあとに続く翡翠も同じようにじりじりと進むが、どう見てもその表情は楽しんでいるようにしか見えない。 …怖がってないだろ。 回り道でジムトレーナーと戦わないで済む道もあったけれど、どうしても透明な床に踏み出す勇気は出なくて直進することにした。 (しかし、ジムトレーナー自ら「無意味な高さ」とか言っちゃっていいんだろうか) トレーナー2人を撃破し、辿り着いたその場所には、青い髪に和服姿の男性。歳の頃は私と同じくらいか。 この人が…ジムリーダーの、ハヤトさん。 「やあ、よく来たね。俺がジムリーダーのハヤト」 「カナエです。よろしくお願いします」 「こちらこそ、よろしく。でも、このキキョウジムは僕が父さんから任されたジム…そう簡単には、ジムバッジを渡さないよ!」 いけ!と、ハヤトさんが繰り出してきたのはポッポ。 流石、ジムリーダーのポッポというべきか、鍛えられている。 でも、私の仲間だって簡単には負けない。 …よし。 |