6


気合いを入れてマダツボミの塔まで来たはいいけれど。

「もう夕方なんだよねぇ…夜までに下りて来れるかなぁ」

やっぱり明日にしとけばよかったかなぁ、なんて少し思ったりもしたけれど。
まあ、悩んでいる時間があれば前進あるのみ、かな。
確か、マダツボミの塔というだけあってトレーナーは皆マダツボミを使ってきたはず。
だとすると、主戦力は蒼衣と風音。
翡翠には、野性のコラッタなどとのバトルを主に任せることになるだろう。

蒼衣を一度ボールに戻し、代わりに翡翠を出してやる。
「チコ!」と一鳴きし、早く行こうと気合いを入れて駆け出した。

「あ、こら!翡翠!」

駆け出した翡翠を追って私も走り出したら、近くに居たお坊さんに「塔の中は走らないようにしてください!」と釘を刺されてしまった。

塔の中心にある柱はゆらゆら揺らいでいて、不思議な感じ。
ふと、足元に居る翡翠を見ると、ゆらゆら揺れる柱に合わせて体を動かしていて、なんだか踊っているようだった。

「翡翠ー、いくよー」

まだまだ踊っていたいのか、少し物足りなさそうな表情をしたが、先に進むとわかると、すぐにその表情はニコニコと楽しそうなものに変わった。


[*prev] [next#]




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -