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「着いたー!」

辺りがほんのりオレンジ色に染まりかけた頃。
ようやく、私たちはキキョウシティにたどり着いた。

「すごいねぇ…なんだか別の世界みたい」

いや、実際私にとっては別の世界なんだけども。
それを差し引いても、趣があるというか…そう、修学旅行で奈良や京都に行った時みたいな感じ。
蒼衣もなんだか楽しそうで、わくわくと辺りを見回している。

「蒼衣、よそ見してると置いてくよー」

キョロキョロしていた蒼衣は慌てたように追いかけてくる。そんな蒼衣を抱き上げ、私たちはマダツボミの塔に向かった。

今日はまだもう少し表も明るいし、マダツボミの塔に行って…明日は、キキョウジムに挑戦しよう。



あれ、そういえば夢の中で聞いた不思議な声が「塔で待っている」って言ってなかったっけ?
もしかしたら、何かヒントもあるかもしれない。

よし、と小さく握りこぶしを作り、気合いを入れた。
蒼衣を見ると、小さな手で同じように私の真似をしていたのが、なんだかとてもかわいらしかった。


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