4 「じゃあな、カナエちゃん。また、近くまできたら立ち寄るといい」 「ありがとうございました」 あれからしばらく、私とポケモン爺さんは他愛のない話をした。 私のこと、ポケモンのこと… 気付けばもうお昼を過ぎていて、そろそろお暇することにした。 「キキョウシティにいくなら、一度戻るよりも…少しわかりにくいが、家の横に細い小道があるじゃろ。そこを通っていくといい。だいぶと近道になるはずじゃ」 「わかりました。いろいろ、ありがとうございます」 行こうか、と蒼衣の手を引いて、一歩踏み出す。 と。 「カナエちゃん、」 「はい?」 「いや…気をつけて、お行きなさいよ」 「はい!」 どうしたんだろう、何か言いかけていたような感じだけど… まあ、いっか。 「そうか、あの子がカナエちゃん…本当に、サナエさんによく似た目をしておる」 歩き出した私の耳には、ポケモン爺さんの呟きなど、当然聞こえていなかった。 |