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ともあれ、私たちは順調に30番道路を突き進み、キキョウシティへ向かっている…はずだった、が。

「あれ…行き止まり…?」

おかしい。
キキョウシティに着くはずが、何故だか民家の前に着いてしまった。
さっきの分かれ道で曲がるのを間違えたか。
仕方がないので引き返そうかとも思ったが、また迷うのも厭だし…民家で道を聞いたほうがいいかもしれない。

コンコン、と、民家の扉を小さくノックすると、「どうぞ」と声が聞こえたので、恐る恐る扉を開いた。

「すみません、失礼します…あの、道をお尋ねしたいんですが、」

中に居たのは初老の男性。
こちらを振り向き私と蒼衣を交互に見比べた後、君は、と呟き、言った。

「もしかして、カナエちゃんじゃないかい?」

「そうですけど、」

一瞬、今朝のタマオさんとの会話がフラッシュバックした。
何で私の名前…

「やっぱり。いやなに、驚かないでおくれ。わしはポケモン爺さん…ほれ、昨日ヒビキ君がわしのところに来たじゃろ。彼から聞いたんだよ、ラルトスを連れた女の子…君のことをね」

あ、なぁんだ。ヒビキくんから聞いたのか。
この人が、ポケモン爺さん…

「まあ、そこに突っ立ってるのも何だし、中に入りなさい。少し話をしよう」

「あ、はい」

おいで、と蒼衣を促して、案内されたテーブルに腰掛ける。


出された紅茶は、何だかとても温かい味がした。


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