Side:B


昨日までじゃじゃ降りの大雨でなかなか外に出られなかったけど、今日はやっと太陽が顔を出した。
だから、出かけるのかなーなんて思ったんだけど、カナエちゃんが

「今日、洗濯だけしちゃいたいから」

って、結局昼過ぎまでポケモンセンターで。
ぼんやり見てたテレビでは天気予報をやってて、天気がいいのは今日だけだって。
(わりと雨は好きだけど、こう続くとさすがにうんざりする)
(光合成って大事じゃん?)

「買い物行くけど、行くひとー?」

やっと準備が終わったみたいで、なぎや炬、蒼衣が買い物組に手を挙げた。
俺も行こっかな、って思ったけど、ちょっとカナエちゃんを驚かしてみよっかな、っていたずら心が生まれた。

ぱたん、と扉が閉まってカナエちゃんたちを見送ってすぐ。

「珍しいじゃない、アンタがカナエに着いてかないの」

ごろごろベッドに寝転びながら、風音は言った。

「まぁね。それよりもさ、風音。ちょっと手伝ってくんない?」

「…?いいけど、なにすんのよ?」

これ、って机に乗ってたティッシュを引き寄せる。

「カナエちゃんをびっくりさせない?」

「あんたも大概、そーゆーの好きよね」

「風音もだろー?」

お互いこういうことは好きなタチで、そうと決まればってことでてるてる坊主を作り始めた。

丸めてむすんで、それだけの簡単な作業。
2人でやれば、あっという間に5、6体のてるてる坊主。

「窓に吊すんだったら、これくらいでいっか?」

「そうねぇ、これってこのまま吊っていいの?」

「えー、どうだったかな…あ、でもさ。せっかくだしさ、」

きゅ、とペンでてるてる坊主に顔を描いてあげたら、

「あら、それ」

「似てるっしょ?」

俺達の真ん中で笑うのは、



俺達の太陽みたいな君。


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テーマ「人外ファンタジー」
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