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「どうも、お久しぶり…ってほどでもないんですかね」

「そうだね。確かあのときはチョウジだったね」

日数にしたらそんなにないのかもしれないけど、チョウジからここまで本当にいろんなことがありすぎて、ずっと昔のことのように思う。

ワタルさんに連れられて案内された祠の中は綺麗に装飾された祭壇がある他は何もなくて、だからこそ一層その祭壇が重要なものだとわかる。
その祭壇の前に、一人の老人が座っていた。
ワタルさんは、その人に向かって一礼する。


「長老様、戻りました」

「うむ。ワタル、そちらの方は?」

このおじいさんが、長老様……。
ワタルさんが私を紹介しようと一歩横にずれる。

「ああ、こちらはカナエさん。先日お話したチョウジの件で一緒に戦った人です。今日は……あれ、そういえば何でカナエちゃんがここにいるんだい?」

そういえば、あまりに突然な再会に私もなんでここに居るのかをうっかりしていた。
簡単に自己紹介をしてフスベジムでの出来事を話すと、ワタルさんは苦笑して長老様は眉間にシワを寄せた。

「まったく、あの娘は…」

「イブキらしいよ」

そんな対称的な反応に、思わず笑いが漏れる。
長老様は私の方を向き、複雑な表情を浮かべる。

「すまないね、カナエさんや。あの子も…イブキも、本心からそう言っているわけではないんだよ」

長老様はそう言ってくれたけど、ぶっちゃけもうそこまで気にしていなかったりする。

「そうだな…イブキにはオレから話をつけよう」

「ありがとうございます、ワタルさん」

「うむ、そうしておやりなさいワタル。…カナエさん、せっかくだから少し話をせんかね?」

私は頷き、促されるまま床に腰を下ろす。
長老様が上座。私がその正面で、ワタルさんがその間に。

ふぅむ、と長老様が小さく唸り、祠が静まり返る。

「しかし…最初は気付かなんだが、カナエさん、君は……もしかしてサナエさんの、いや…しかし、」

「…っ!」

この人も。
私のお母さんを、知っている…?

「あの…っ、」

「しかし、まさか……彼女はまだ30にもならんはず。娘さんがおるとは聞いたが、いやまさか…」

長老の言葉に、私の頭はなかなかついていくことができなかった。


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