7 「なぁ、カナエ」 布団に入る直前、炬がふいに私を呼ぶ。 「なに、炬」 「ん、たいしたことやないんやけどね。今日、ガーディに会わんかったか?」 「え?あ、あぁ、会ったよ」 「ほうか」 「…?炬、それがどうかしたの?」 「んや、元気そうで何よりやなって」 ほなおやすみ、と炬は布団を被る。 炬の言葉を数回反復する。 元気そうで何より……元気そうで…、っ! 「かが、っ!」 「んー、やかましいよカナエ」 「あ…ごめん、」 もし…もしも、私の予想が当たっているのなら。 「炬、会いたかった?」 「会いたない言うたら嘘やけど、まあ、これはこれでええよ」 実際会うたら何言うてええかわからんしな、と。 「そっか」 「もう寝ぇ。また明日もあるやろ」 「……うん、おやすみ」 「おやすみさん」 そしてコガネの夜は更けていく―― |