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「…以上です」

「ふむ…団員の自白と一致する…か。ありがとう、助かったよ」

ラジオ塔内での事件だけでなく、ヒワダやエンジュ、チョウジでの出来事や彼らの特徴を覚えている限り、カイトさんに伝える。

私たちの正義と彼らの正義は決して交わらない。

「えーと、これで終わり…ああ、最後にひとつ。彼らの行き先に心当たりは?」

「いえ…展望室でのバトルのあと、いつの間にか姿を消していたので」

「そっか。まぁ、そっちは俺の方で捜すとするよ。局長も、お疲れ様でした」

そう言ってカイトさんは立ち上がり、一度部屋から出た。

「すまなかったね」

部屋に残されたのは、局長と私…そして、蒼衣。

「え?」

「無関係だったはずの君を巻き込んでしまって、本当に申し訳ない…ありがとう」

「いえ!私も…彼らのことは気になっていたので、」

嘘じゃない。
初めてヒワダで会ったそのときから、ずっと気掛かりだった。

「そうか…ありがとう」

そう言って局長は、深々と頭を下げる。
なんだかむずかゆいなぁ、もう。

なれない一連のやり取りにむずむずしていると、足元に何か柔らかいものがぶつかった。
テーブルの下を覗き込むと、驚いた様子のガーディ…カイトさんのパートナーだ…と目が合った。
任務が終わって疲れたのだろう、机の下で休んでいたらしい。

「ごめんね、起こしちゃって」

『なんや君か。ええよ気にしとらんから』

驚いたことに、この世界に来て一番最初に一瞬会っただけの私を覚えていたらしい。
ガーディは、ぴょんと私の膝に飛び乗った。

『ちょっと借りるで』

「え?」

言うが早いか、ガーディは膝の上でうつらうつらし始める。
折よくカイトさんが戻ってきた。

「お待たせ…あれ、ガーディ。珍しいな、俺以外の人間の側で寝るなんて」

「そうなんですか?」

「うん。人懐っこいけど、人前では眠らない…はずだったんだけどね」

カイトさんは苦笑し、ふと呟いた。

「なんだか妬けるなぁ」

「え?」

「ガーディが懐いているの、俺だけだと思ってたんだけど」

カイトさんの言葉にガーディがうっすら目を開けて、口をもごもごさせる。

『阿呆、男に妬かれて誰が嬉しいねん』

ガーディの言葉に、思わず笑いが漏れる。
ガーディは膝の上でフンと鼻を鳴らした。


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