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見覚えのある光が蒼衣を包み、それはすぐに収まった。
そこに居たのは、紛れも無く昨日の少年の姿をした蒼衣だった。

「カナエちゃん…これが、君の言っていた人型…かい…?」

「そう、です…」

何がどうなったのかよくわからないけど。
今朝元に戻ったと思った蒼衣は、再び少年の姿になっていた。

「うわ…俺、こんなの初めて見た…」

「私も…」

ヒビキくんとコトネちゃんも唖然としている。

「もしかしたら、感情の高ぶりなどによって人型をとるようになった…のかもしれないね。今、翡翠君がじゃれていた時に変化が起こったようだし。もう少し成長すれば、自由に姿をコントロールできるようになるかもしれない」

相変わらず博士は驚きながらも冷静で、よく観察していたようだ。

「あの、博士」

私はふと疑問に思ったことを聞いてみた。

「もし、私が翡翠に飴をあげたら…翡翠も人型をとったりするんでしょうか…?」

「断言はできないけれどね。その可能性は…否定できないかな。ただし、試すのは翡翠君の意思があってからだよ」

そうだよね。
いくら興味があるからといって、勝手に実験体にするような真似はしちゃいけない。

「とは言っても、なぁ…」

伝えるにしろ、翡翠にどう説明したものか。
そのとき。

「カナエ。僕が、伝える」

先程まで翡翠とじゃれていた蒼衣が言った。

「できるの?」

「ラルトス、気持ちを伝えるの得意」

そう答えて、蒼衣は翡翠の方に向き直った。

数瞬の後、

「大丈夫。翡翠も、なってみたい、って」

振り返った蒼衣は、そう言った。
私はカバンからレモンの飴を取り出し、翡翠の前に差出した。
すると彼がぱくりと飴を口に含み、程なくして。
先程のような光が翡翠を包み、其処には赤いくりくりとした目が特徴的な少年が居た。



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