7 「ラフレシア!どくどくでそのコを苦しめてあげなさい!」 「炬!炎の渦で閉じ込めて!」 炬の、ラフレシアの技が交錯する。 炬はぐるりと一回転してその身を起こす、が、 『…っ!』 避けそこねて炬は膝を折る。 でも、それはラフレシアも同じようで、炬の生み出した炎に包まれ、そしてぱたりと倒れる。 『マスター、申し訳ありま…、』 「使えないコね!」 舌打ちひとつして、アテナさんはラフレシアを乱暴にボールに戻す。 「!」 使えない、だなんて。 あの子は、あんなにもアテナさんのことを慕っているのに、アテナさんには悲しいくらいそれは伝わらない。 「炬…、お疲れ様」 毒を浴びてしまった。休ませてあげなくちゃ。 私は炬をボールに戻し、アテナさんを睨み付ける。 「ひとつ…聞いていいですか?」 「何かしら?」 「あなたは…アテナさんは、どうしてロケット団にいるんですか?」 きょと、とアテナさんは目を見開き、そして 「くっ…あはははは!なぁに、おもしろいこと言うのねぇ?」 ロケット団に入る気になった?という、アテナさんの言葉に、首を横に振る。 「そうねぇ…一言でいうなら、おもしろそうだから…かしら?」 おもしろそう…? 何が?なんで? ポケモンだって生きている。 モノのように扱うのが、おもしろい…? 「もちろん、それ以外にも理由はあるけど…私にはそっちの理由の方が大切なんだけど、それはアナタには内緒」 と、アテナさんは妖艶な笑みを浮かべた。 それは、同性の私から見ても魅力的な…、 「よく……よく、わかりました」 「そぉ?なら、」 「私は、アテナさん…あなたの考えに、賛同できない、ことが」 直感が、全てを否定する。 私とは相入れないって。 「そ。残念、アナタとならいいコンビを組めると思ったのにね」 さして残念でもなさそうに、アテナさんは肩をすくめた。 「それじゃ、続けましょ?」 そして、アテナさんは3つめのモンスターボールに手をかけた。 |