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「ラフレシア!どくどくでそのコを苦しめてあげなさい!」

「炬!炎の渦で閉じ込めて!」

炬の、ラフレシアの技が交錯する。
炬はぐるりと一回転してその身を起こす、が、

『…っ!』

避けそこねて炬は膝を折る。
でも、それはラフレシアも同じようで、炬の生み出した炎に包まれ、そしてぱたりと倒れる。

『マスター、申し訳ありま…、』

「使えないコね!」

舌打ちひとつして、アテナさんはラフレシアを乱暴にボールに戻す。

「!」

使えない、だなんて。
あの子は、あんなにもアテナさんのことを慕っているのに、アテナさんには悲しいくらいそれは伝わらない。

「炬…、お疲れ様」

毒を浴びてしまった。休ませてあげなくちゃ。
私は炬をボールに戻し、アテナさんを睨み付ける。

「ひとつ…聞いていいですか?」

「何かしら?」

「あなたは…アテナさんは、どうしてロケット団にいるんですか?」

きょと、とアテナさんは目を見開き、そして

「くっ…あはははは!なぁに、おもしろいこと言うのねぇ?」

ロケット団に入る気になった?という、アテナさんの言葉に、首を横に振る。

「そうねぇ…一言でいうなら、おもしろそうだから…かしら?」

おもしろそう…?
何が?なんで?
ポケモンだって生きている。
モノのように扱うのが、おもしろい…?

「もちろん、それ以外にも理由はあるけど…私にはそっちの理由の方が大切なんだけど、それはアナタには内緒」

と、アテナさんは妖艶な笑みを浮かべた。
それは、同性の私から見ても魅力的な…、

「よく……よく、わかりました」

「そぉ?なら、」

「私は、アテナさん…あなたの考えに、賛同できない、ことが」

直感が、全てを否定する。
私とは相入れないって。

「そ。残念、アナタとならいいコンビを組めると思ったのにね」

さして残念でもなさそうに、アテナさんは肩をすくめた。

「それじゃ、続けましょ?」

そして、アテナさんは3つめのモンスターボールに手をかけた。


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