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「蒼衣…今の、どう思う?」

そして、私たちだけが残った。
蒼衣はしばらく考え込んでいたが、やがて

『嘘はついてなかった、と、思う。ただ、それ以上はわからない』

と、言った。

「そっか…」

蒼衣がそう言うんだったら多分、そうなんだろう。蒼衣が嘘をつく理由はない。

ラムダさん…不思議な、というより、わからない人だった。
たまたまロケット団に居る方が都合がいい、と言っていた。
それの意味するものは、一体何なんだろう?
ラムダさんの言葉を信じてもいいものか、はかりかねる。


それはそうと。


「あ、そういえば蒼衣!あんた、今朝翡翠と何してたわけ?」

さっきのドガースが言っていた、「今朝のキルリア」というのは、多分…っていうか、間違いなく蒼衣だろう。

『たいしたことじゃないよ。今朝、ちょっと翡翠と話をしてたら、あいつに勝負をしかけられた。だから、翡翠にトレーナー役をしてもらっただけ』

「ふぅん…?」

まだ他にも何かありそうな気はする…けど、まあ、蒼衣のこの様子だと口を割りそうにないし、あとで翡翠にそれとなく聞いた方がいいかもしれない。

「まぁ、いいや。とりあえず…進んでみようか」

ラムダさんの言葉を信じるかどうかは別として、ここまで来てしまったし。
それに、多分あのロケット団員の男が私の…そして、マントの男の侵入を報告しているだろう。
だとしたら、街に戻ってもすぐに見つかる可能性は高い。
それなら当初の目的通り、ここに何があるのか知りたい……気がする。

『そうだね…行こう、カナエ』

先へ進もう。
何があるかわからない。
でも、知りたい。
今は、そう思うから。


地上の土産物屋とは大きく雰囲気の異なる地下に、一歩。
私たちは、踏み出した。


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