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翌朝…と、いうには太陽の位置がだいぶ高くなった頃。
さすがに完徹に近いことをしたあとの、特有の頭と身体の重みに襲われる。

早起きが自慢の翡翠ですら、目は開いているけどぼんやりしている。

もう少し寝ていたい衝動に襲われるが、今寝ると今夜が眠れない。
かといって、まだ眠ってるみんなを起こすのもなんだか悪い。
悩んだ結果、皆をボールに戻して散歩に行くことにした。

「俺はいいよ」

皆をボールに戻して、ほーっと窓の外を見ていた翡翠にどうするか聞いたら戻らないと言うので、翡翠と一緒に出かけることになった。

と、言ってもどこか行きたいところがあったわけでもなく、結局昨日と同じようにアサギの海岸まで来ていた。

ざざ、と穏やかな波が寄せては返す。
そろそろ暑くなってきたなぁ…海で泳ぎたいなぁ。
そういえば、去年買った水着は1回しか着てない。
もし帰れたら、使わないともったいないなぁ。
あれ、そういえば今更も今更だけど、私の部屋ってどうなってんだろ。
家賃、払ってないけど。

…なんて、そんなどうでもいいことを考えてると、翡翠が袖を引っ張った。

「どしたの、翡翠」

「や、あそこ…、」

と、翡翠が指した先に視線を移すと、そこには。

「あ、」

波打ち際から顔を出したのは、この数日ですっかりおなじみになった彼女…パウワウ。
彼女はきょろきょろと不思議そうに辺りを見渡し、そして

『あ…貴女、』

「こんにちは」

パウワウの表情は、未だ不思議そうなまま。

『ねぇ、もしかして…貴女がこれを?』

よかった、気付いてくれた…!

「うん、私には何ができるかわからない…けど、これくらいなら、できるかなって」

昨日の夜。
海岸のあちこちに落ちたごみを手分けして拾ったおかげで、アサギの海岸は美しい白い砂浜を取り戻していた。


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