7 「避けろ、スリープ!」 スリープは動かない…いや、動けない。 麻痺した体で電撃を避けようとする…が、自由の利かない体では避けることはできず、そのままなぎの放った電気をくらう、が、さすがにタフなようでよろめきながらも立ち上がる。 「よし…、スリープ!念力!」 ミナキさんは最後まで諦めない。 麻痺する体で力を振り絞り、スリープは念を込める。 私としても、次で決めたい。 「なぎ!シグナルビーム!」 なぎとスリープ、お互いが放った技が相手に向かい……、 「僕の負けだよ、カナエ君」 どさ、とミナキさんのスリープがその場に倒れ込んだ。 「強さだけじゃない、ポケモンとの絆も…それが、スイクンが君を選んだ理由なのかもしれないな」 スイクンについてはもっと別の理由だと思うけど、とりあえずそれはだまっておこう。 「いえ、ミナキさんのポケモンもすごく強かったです」 「いやいや、謙遜しないでくれたまえ……おや?カナエ君、君のモココ…、」 え、と。 ミナキさんの指すなぎを見ると、淡くきらきらと体が輝いている。 それは段々と強くなってなぎを包み込み、 「わ、」 もこもこしていた綿毛はなくなって、黄色い体。 デンリュウに、進化したんだ。 「なぎ、おめでとう!」 身長は私とそう変わらないくらい。 デンリュウって、意外に小さいんだ。 「おめでとう、カナエ君。それに、なぎ君…だったかな?」 ぱちぱち、と拍手をしながらミナキさんはこちらに近付いてくる。 「そうだ、カナエ君。君はガーディを連れていたね。よければこれを君にあげよう。僕には、必要ないものだから」 すっとそれを差し出した。 |