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「避けろ、スリープ!」

スリープは動かない…いや、動けない。
麻痺した体で電撃を避けようとする…が、自由の利かない体では避けることはできず、そのままなぎの放った電気をくらう、が、さすがにタフなようでよろめきながらも立ち上がる。

「よし…、スリープ!念力!」

ミナキさんは最後まで諦めない。
麻痺する体で力を振り絞り、スリープは念を込める。
私としても、次で決めたい。

「なぎ!シグナルビーム!」

なぎとスリープ、お互いが放った技が相手に向かい……、



「僕の負けだよ、カナエ君」

どさ、とミナキさんのスリープがその場に倒れ込んだ。

「強さだけじゃない、ポケモンとの絆も…それが、スイクンが君を選んだ理由なのかもしれないな」

スイクンについてはもっと別の理由だと思うけど、とりあえずそれはだまっておこう。

「いえ、ミナキさんのポケモンもすごく強かったです」

「いやいや、謙遜しないでくれたまえ……おや?カナエ君、君のモココ…、」

え、と。
ミナキさんの指すなぎを見ると、淡くきらきらと体が輝いている。
それは段々と強くなってなぎを包み込み、

「わ、」

もこもこしていた綿毛はなくなって、黄色い体。
デンリュウに、進化したんだ。

「なぎ、おめでとう!」

身長は私とそう変わらないくらい。
デンリュウって、意外に小さいんだ。

「おめでとう、カナエ君。それに、なぎ君…だったかな?」

ぱちぱち、と拍手をしながらミナキさんはこちらに近付いてくる。

「そうだ、カナエ君。君はガーディを連れていたね。よければこれを君にあげよう。僕には、必要ないものだから」

すっとそれを差し出した。


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テーマ「人外ファンタジー」
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