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「マルマイン!」

ミナキさんが繰り出してきたのは、マルマイン。
…なんだか、あの目が可愛いと思うのはきっと気のせいじゃない。
えーと、そしたら…

「蒼衣!」

キルリアに進化した蒼衣は、細い足で踊るようにボールから出て来る。

「ふぅん、キルリアか…マルマイン、ソニックブーム!」

「蒼衣、影分身でかわして!」

ミナキさんのマルマインが生み出したいくつもの見えない刃が、蒼衣の影を消していく…が、

『うあ、』

「蒼衣!」

そのうちの1つが命中したのは、蒼衣の実体。

『カナエ、早く指示を』

体勢を立て直し、蒼衣はマルマインを見据える。
私も、呆けてはいられない。

「蒼衣、瞑想!続けてサイコキネシス!」

「ならばマルマイン!影分身でかわせ!」

先程とは逆に、今度はミナキさんのマルマインがいくつもの影を作り出す。

「蒼衣、よく狙って!」

スゥ、と蒼衣は目を閉じて意識を集中させる。
マルマインの影が蒼衣をぐるりと取り囲む。
蒼衣が見えない力を解き放った、瞬間。

『っ?!』

取り囲むマルマインのうちの1体が、表情を変えた。
見えない力はマルマインを襲い、ダメージを与える。
ごろり、とダメージで転がったが、すぐに元の位置へと戻る。

「さすが、マツバを破っただけのことはあるね。ならばマルマイン、チャージビームでとどめだ!」

「蒼衣、マジカルリーフ!」

マルマインはその体の中心にエネルギーを集め、蒼衣の周りに無数の葉っぱが生まれる。
動いたのは同時…いや、マルマインの方がわずかに早かったか。
マルマインが集めたエネルギーを直線に放出し、少し遅れて蒼衣も葉っぱを散らす。

そして――、


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