4 「マルマイン!」 ミナキさんが繰り出してきたのは、マルマイン。 …なんだか、あの目が可愛いと思うのはきっと気のせいじゃない。 えーと、そしたら… 「蒼衣!」 キルリアに進化した蒼衣は、細い足で踊るようにボールから出て来る。 「ふぅん、キルリアか…マルマイン、ソニックブーム!」 「蒼衣、影分身でかわして!」 ミナキさんのマルマインが生み出したいくつもの見えない刃が、蒼衣の影を消していく…が、 『うあ、』 「蒼衣!」 そのうちの1つが命中したのは、蒼衣の実体。 『カナエ、早く指示を』 体勢を立て直し、蒼衣はマルマインを見据える。 私も、呆けてはいられない。 「蒼衣、瞑想!続けてサイコキネシス!」 「ならばマルマイン!影分身でかわせ!」 先程とは逆に、今度はミナキさんのマルマインがいくつもの影を作り出す。 「蒼衣、よく狙って!」 スゥ、と蒼衣は目を閉じて意識を集中させる。 マルマインの影が蒼衣をぐるりと取り囲む。 蒼衣が見えない力を解き放った、瞬間。 『っ?!』 取り囲むマルマインのうちの1体が、表情を変えた。 見えない力はマルマインを襲い、ダメージを与える。 ごろり、とダメージで転がったが、すぐに元の位置へと戻る。 「さすが、マツバを破っただけのことはあるね。ならばマルマイン、チャージビームでとどめだ!」 「蒼衣、マジカルリーフ!」 マルマインはその体の中心にエネルギーを集め、蒼衣の周りに無数の葉っぱが生まれる。 動いたのは同時…いや、マルマインの方がわずかに早かったか。 マルマインが集めたエネルギーを直線に放出し、少し遅れて蒼衣も葉っぱを散らす。 そして――、 |