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「まあ、不思議なこともあるもんだわねぇ」

少し長くなってしまった私の話が終わり、しみじみと風音は呟いた。

結局…どこから話していいかわからなかったっていうのと、私のことを少し、知って欲しかったのとで、話が長くなってしまった。
みんな、それぞれに感想を持ったようで、頷いたり考え込んだりしている。

「でも、ポケモンの居ない世界なんて…想像できないわ」

「あたしも。なぁなぁ、どんなところやったんや?姉ちゃんがおったとこ」

興味津々。
少し炬が身を乗り出した。

「あ、それ俺も知りたい」

「そうだなぁ…ビルもあったし公園もあったし…ポケモンはいないけど色んな動物たちがいたし、こことあまり大きくは変わらないけど、」

「けど?」

「少し…窮屈、だったかな」

年々自然が減っていって、昔遊んだ公園は気がついたら鉄筋の建物で。
大きくなるにつれて、世の中のルールに縛られて。
少し、息が詰まりそうだった。

「カナエ。カナエは、ここに来たこと後悔してる?」

しばらく何かを考えていた蒼衣が、唐突に言った。

「ううん、後悔なんかしてないよ」

最初は不安で仕方なかった。
なんで、どうして。そんな気持ちもあったかもしれない。

でも、今なら言える。
私は、この世界に来たことをただの「運命」なんて言葉では、片付けたくないって。

だって、

「蒼衣に翡翠、風音になぎ、それに炬…みんなに、出会えたからね」

こんなにも素敵な、私の仲間たちに会えたんだから。
両手で抱えることができないくらいの、私の大切な仲間たちに。


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