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「炬、いける?」

『応よ、任しとき』

「ふぅん、ガーディか…なら、ゴースト」

マツバさんが繰り出してきたのは、ゴースト。
ククク、とゴーストは楽しそうに嗤い、そして

「…え?」

スゥ、と闇に溶けるように、消えた。

「ゴースト、ナイトヘッド」

『何や…あ、あ、くぁ』

キィンと耳鳴りが響く。
炬は、見えない相手の見えない攻撃をまともに喰らい、うずくまる。

「か、炬!落ち着いて、」

『落ち着きぃ言うたかてやな、相手の場所もわからんのにやな、』

相手の場所…見えない相手の場所を突き止めるには、

「炬!かぎ分ける!」

『…!応よ!』

つまり、相手が見えなくったって、そこにいるなら匂いを辿れば、

『おった!そこやな』

炬がある一点に向かって吠えると、ゴーストは闇から現れる。

『ククク、よくできました』

見付かったのも彼にとっては楽しい遊びのうちなのか、ゴーストは嗤っている。

「炬、噛み付く!」

が、と炬はゴーストに向かってその牙を剥く、が、さすがに一撃では倒せない。

「へぇ、君のガーディ、なかなかやるんだね」

『やかましいわ、だぁっとれ若造』

マツバさんの言葉に、今にも唾を吐き捨てる勢いで炬が返した。
(マツバさんに聞こえなくて、本当によかった)
(…ていうか、マツバさんは多分炬より年上…だよね)

「じゃあ…そうだな。ゴースト、呪い」

ククク、とゴーストの嗤い声が響き、

『勇敢な貴女に、私からの贈り物を』

ふよふよと、炬の周りに黒いものが漂い、それは見えなくなる。

『何や自分、何して…?!』

突然、炬はうずくまり苦しみ出す。
呪い…自分の体力を削り、相手に呪いをかける…

「炬、もど…」

「ゴースト、黒い眼差し」

しまった…!
炬を一度戻そうとすると、マツバさんに先手を打たれる。
ゴーストの吸い込まれるような目に見つめられ、炬はその場から動けない。
こうなったら、

「炬…火炎車!」

相手の体力は恐らくわずか…
力を振り絞った炬の火炎車がが決まり、ゴーストは倒れた。
倒れ際まで、彼は嗤いを浮かべたままだった。


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