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「あれ、カナエさんじゃん!それに、お前…シルバー!」

突然の乱入者の声によって、その空気は破られた。
その声の主は、

「ヒビキくん!」

コガネの手前で再会した、ヒビキくん。
早いなぁ、もう追い付いたんだ。

「ちっ…」

舌打ちをしてシルバーくをは構えたボールを下ろし、つかつかと出口の方へ歩き出す。

「あ…!」

「おい、シルバー!」

引き止める間もなく。
私たちの前から、シルバーくんは姿を消した。


「行っちゃった…」

「カナエさん、大丈夫?」

「私は平気。それよりも、バトルで蒼衣が倒れちゃったから休ませてあげないと、」

蒼衣の入ったボールを撫でる。
中で弱々しく、蒼衣が動いた。

「じゃあ、カナエさんはポケモンセンターだね」

「ヒビキくんは?」

「俺も一緒に行きたいけど、アイツ見付けたしなー…まだその辺いるかもしんないから、ちょっと探してくるよ」

「そっか。がんばってね」

ぐ、と親指を立てて、ヒビキくんはシルバーくんを追って、焼けた塔から出て行った。

「カナエちゃん…俺、次アイツと会ったら、何が何でも戦うよ」

「アタシも。なーんか、いけ好かないわぁ」

2人が出て行った出口を見つめて、翡翠と風音が呟いた。

「うん…とりあえず、ポケモンセンター行こっか」

2人とも揃って頷き、私たちは焼けた塔をあとにした。


気付けば陽はだいぶ傾いてきて、辺りは綺麗なオレンジ色に染まっていた。

エンジュシティは夕焼けが似合うなぁ、なんて。
何となく、そんなことを思った。


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