4 「ゴルバット!もう一度噛み付け!」 「なぎ、綿胞子で相手の動きを封じて!」 なぎに噛み付こうとゴルバットが近付いたその瞬間。 ぽ、ぽ、と生まれた綿がゴルバットに纏わり付き、動きを牽制する。 「なぎ、そのまま電気ショック!」 「かわせ、ゴルバット!」 なぎが放った電気がゴルバットに当たる寸前、さっとかわす。 電気は少し掠ったくらいで、あまり大きなダメージにはなっていない。 「くそ…!ゴルバット、吸血!」 シルバーくんの命令と同時にゴルバットは動く。 私の指示は、間に合わない…! がぶり、とゴルバットがなぎに噛み付いた、とき。 『なんだァ?!』 何かに驚いたゴルバットは、突然渚楽から離れる。 …そうか、静電気! 麻痺になったゴルバットは、ふらふらと飛びにくそうに羽ばたく。 今だ…! 「なぎ、電気ショック!」 ばちばち、となぎの周りに電気が集まり、一気に解き放たれる。 綿胞子に麻痺で自由に動けないゴルバットはまともに電気を受け、ぱたり、と地上に落ちる。 『カナエちゃん!』 嬉しそうになぎが私の元へ戻ってくる。 「よくやったね、ありがとう」 ぎゅ、となぎの体を抱き抱えると、彼女の体がきらきら光って見えた。 これは…、 「なぎ…?」 驚いている間にも光はどんどんなぎを包み、私の腕の中の形を変える。 そして、 『あら…?』 なぎも不思議そうに自分の体を見つめる。 4足歩行だった足は後ろ足のみの力で立ち、黄色いもこもこに包まれていた体はうっすらピンクの地肌が見えている。 「わ、なぎおめでとう!」 モココに、進化した。 『何だか、不思議な感じだわ』 2足歩行の足を見て、なぎは言った。 そうだね、今まで4足歩行だったものね。 「おい、お前…!いつまでそうしてる!」 …あ、いけない。 シルバーくんとのバトルの途中だった。 「ご、ごめんね!嬉しくて、つい」 「ふん…たかだか進化したくらいで…」 舌打ちながらシルバーくんはボールを構える。 「なぎ、大丈夫?」 『大丈夫よ、任せて』 私の腕から飛び出し、シルバーくんに向かう。 シルバーくんがボールを振りかぶった、とき。 |