8 そいつはな、とガーディは話し始めた。 『そいつは、あたしの幼なじみみたいなモンでな。この辺のガーディは野郎がほとんどで…あたし、馴染もうと頑張って女の子らしさを捨てようとしたんやけど、なかなか馴染まれへんかったときに…唯一、相手にしてくれた変わり者なんよ』 そいつがおらんかったら今のあたしはおらんから、と続ける。 ガーディの話を聞いて、昨日感じた違和感の正体がわかった。 理由は違えど、この子は「女の子らしさを捨てようとしていた昔の私」に似ているんだ。 「ねぇ…蒼衣、翡翠、風音、なぎ。私は、この子と一緒に旅をしてみたいって思うんだけど、皆はどうかな?」 だって、過去の自分と重なるこの子を放っておくなんてできなくて。 4人は顔を見合わせ、そして 「私はカナエちゃんがそう思うのなら、いいと思うわ」 「ま、仲間は多い方が楽しいっしょ?」 「俺もいいと思うよ」 あ、でも燃やすのは勘弁ね!と翡翠が言って、皆が笑いに包まれた。 「蒼衣は?」 「僕もいいよ」 蒼衣も頷き、全員の了承が取れた。 私はガーディに向き直る。 「…と、いうことで、私たちは君を歓迎するよ」 『ありがとうな。まあ、よろしくしたってや』 ニカ、と笑い、ガーディは私の足元に擦り寄った。 私はガーディを抱き上げ、 「こちらこそ、よろしくね。…炬!」 『カガリ?それ、あたしの名前か?』 「そうだよ。炬火のように温かくて明るい君に」 気に入らない?と尋ねたら、炬は首を横に振り、 『いや、そんなええ名前もろて果報者やな思て』 嬉しそうに目を細め、炬はぺろりと私の頬を舐めた。 くすぐったいけれど、何だかとても嬉しかった。 お日さまのように明るい、赤色の仲間が増えた日。 |