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そいつはな、とガーディは話し始めた。

『そいつは、あたしの幼なじみみたいなモンでな。この辺のガーディは野郎がほとんどで…あたし、馴染もうと頑張って女の子らしさを捨てようとしたんやけど、なかなか馴染まれへんかったときに…唯一、相手にしてくれた変わり者なんよ』

そいつがおらんかったら今のあたしはおらんから、と続ける。
ガーディの話を聞いて、昨日感じた違和感の正体がわかった。
理由は違えど、この子は「女の子らしさを捨てようとしていた昔の私」に似ているんだ。

「ねぇ…蒼衣、翡翠、風音、なぎ。私は、この子と一緒に旅をしてみたいって思うんだけど、皆はどうかな?」

だって、過去の自分と重なるこの子を放っておくなんてできなくて。
4人は顔を見合わせ、そして

「私はカナエちゃんがそう思うのなら、いいと思うわ」

「ま、仲間は多い方が楽しいっしょ?」

「俺もいいと思うよ」

あ、でも燃やすのは勘弁ね!と翡翠が言って、皆が笑いに包まれた。

「蒼衣は?」

「僕もいいよ」

蒼衣も頷き、全員の了承が取れた。
私はガーディに向き直る。

「…と、いうことで、私たちは君を歓迎するよ」

『ありがとうな。まあ、よろしくしたってや』

ニカ、と笑い、ガーディは私の足元に擦り寄った。
私はガーディを抱き上げ、

「こちらこそ、よろしくね。…炬!」

『カガリ?それ、あたしの名前か?』

「そうだよ。炬火のように温かくて明るい君に」

気に入らない?と尋ねたら、炬は首を横に振り、

『いや、そんなええ名前もろて果報者やな思て』

嬉しそうに目を細め、炬はぺろりと私の頬を舐めた。
くすぐったいけれど、何だかとても嬉しかった。


お日さまのように明るい、赤色の仲間が増えた日。


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