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『まあ、えらい不思議なこともあるもんやな』

私の説明に対する感想というか第一声は、なんともあっさりとしたものだった。
ふうん、と一人でなにやら頷き、そしてガーディは口を開いた。

『ん、まあ…あたしのお願いもしやすいってもんやし、丁度ええかもわからんな』

お願い。
彼女は最初にもそう言った。
一体、何を。

「えーっと…お願いって、私は何をすればいいのかな?」

『なに、簡単なことやで。あたしを姉ちゃんらの仲間にしてくれんやろか』

ぱちぱち、と私以下ガーディを除く全員が瞬きをした。
(いやまあ蒼衣は隠れて見えないけど)
(その場の空気、というやつだ)

「君を、仲間に?」

そうや、と彼女は頷く。

『だってあたし、姉ちゃんのせいでキズモノにされたんやろ?』

「ちょ…!」

いやいや、キズモノって、確かに普通のガーディではなくなったかもしれないけれど。
(翡翠となぎが「キズモノ?」って首を傾げているのは無視だ)
ガーディはまたカカ、と笑い、言葉を続ける。

『冗談やって。…あたしな、探してる奴がおるんよ。あたしのツレなんやけど、ある日人間に捕まってもうたみたいでな』

ガーディはそこで一度言葉を切り、遠くを見つめる。

『あんまりにも突然で、最後にお別れもできんかったから…一言言いたくて、探してるんよ』

気丈な彼女が初めて見せた、寂しそうな目。
きっと、探してる相手は彼女にとって大事な存在だったんだろうな。

「ねえねえ、その探してるのって、どんなヒトなのよぅ?」

風音の興味津々、という問いにガーディは『知りたいんか?』と悪戯っぽい笑みで言った。
もう、そこにはさっきの寂しそうな面影はなかった。


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