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ぱぁ、と光に包まれて出てきたのは、

「どや、うちの真打ち、ミルタンクのミルたんやで!」

ふふん、と得意げにアカネちゃんは笑う。
ミルタンクは物理攻撃が主力…蒼衣じゃ、不利か。

「蒼衣、戻って!…翡翠!」

『任せてよ、カナエちゃん!』

ぴょい、とボールから翡翠が飛び出し、ミルタンクに向かう。

「ミルたん、まずは小手調べに踏み付け!」

『わかったわ、アカネさん』

アカネちゃんのミルタンクは、それはそれは上品な口調で応え、そして

『うわわわわっ!』

間一髪。
ギリギリのところで、翡翠はミルタンクの攻撃をかわす。

『あら、まあ。でも、次は外しませんことよ』

『冗談!あんなの喰らったら一たまりもないよっ』

攻撃力では劣るけど、小回りでは翡翠の方が有利。
とりあえず、

「マジカルリーフ!」

「ミルたん、転がる!」

翡翠の生み出した無数の葉っぱがひらひらと舞い、ミルタンクを攻撃する。
しかし、ミルタンクは自身の回転でその葉っぱを弾き返し、そのまま翡翠に向かって転がる。

『あう!』

「翡翠!!」

ぽて、と弾き飛ばされた翡翠が倒れる…いや、まだ倒れてない。
起き上がろうと、ゆっくり足に力を込める。

『あなた、お諦めなさいな。これ以上やっても、怪我するだけよ』

ミルタンクが翡翠に向かって諭すように言う。
翡翠は立ち上がり、ミルタンクを正面から見据えて言った。

『やだよ!僕は…僕は、諦めないんだから!!』

その瞬間、異変は起きた。
きらきらと光が翡翠を包み、そして

「う…わぁ、」

そこには、ベイリーフに進化した、翡翠。
チコリータから一変して、しっかりとした体つきに意志の強い目。

「嘘やん…」

『まぁ』

アカネちゃんたちも唖然と翡翠を見つめて、

「進化したかてうちらの勝ちやで!ミルたん、転がるでトドメや!」

『そうね、アカネさん』

ごろ、と助走をつけてミルタンクは翡翠に向かってくる。

「翡翠、ギリギリまで引き付けて……草結び!!」

『了解だよ、カナエちゃん!』

「なんやって?!」

どぉん、と地面が響くような、音がした。


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