4 「行け、蒼衣!」 「ラルトスか…ほんなら、うちはこの子や!行け、ピッピちゃん!」 私とアカネちゃん、蒼衣とピッピが睨み合い、そして。 「ピッピちゃん、はたく!」 「蒼衣、念力!」 アカネちゃんのピッピの攻撃が決まるより早く、蒼衣の念力がピッピを襲う。 「よしっ!」 「あぁ!がんばれピッピちゃん!もっぺんはたくや!」 アカネちゃんの命令と同時にピッピは動き、蒼衣に攻撃を与える。 大丈夫、大きなダメージじゃない。 「蒼衣!瞑想で力を貯めて、」 指示を出そうとして、気付いた。 蒼衣の様子がおかしい。 顔を赤らめて、もじもじして… これは、 「ふっふーん。ピッピちゃんの特性、メロメロボディやで!」 しまった…! 蒼衣は私の命令を聞かずにピッピを見ている。 …一か八か。 「……蒼衣。言うこと聞かない子は、しばらくおやつ抜きだからね」 じとり、と言うと、びくっと一度こちらを振り向き、頷いた。 「蒼衣、瞑想!続けて念力!」 すぅ、と蒼衣は集中し、力を貯める。 「な、何なんそれ!無茶苦茶やで!…ほんならピッピちゃん、とっておきのあの技や!指を振る!」 アカネちゃんがそう命令し、ピッピは指を振る。 …そして、 ぴょん。 ぴょんぴょん。 ピッピの はねる! しかし なにも おこらない! …思わず、そんなテロップが頭に流れた。 「えーっと…」 気まずい静寂。 いやいや、と首を振り、アカネちゃんは気を取り直して、 「もっぺん指を振る!!」 再びピッピは指を振り、その手に力を込めた一撃を放った。 これは、 「やったー!みたか、ピッピちゃんの空手チョップや!」 まともにくらってしまったが、効果はいまひとつ。 まだ…まだ、大丈夫。 「蒼衣、最大出力でサイコキネシス!」 「ピッピちゃん、往復ビンタ!」 蒼衣とピッピは同時に動き、そして。 「ああ、ピッピちゃん!」 「やった!蒼衣ありがとうー!」 倒れたのは、アカネちゃんのピッピ。 「もう怒ったで!今からが本気や!」 そう言ってアカネちゃんはピッピをボールに戻して、もうひとつのボールを振りかぶった。 |