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「行け、蒼衣!」

「ラルトスか…ほんなら、うちはこの子や!行け、ピッピちゃん!」

私とアカネちゃん、蒼衣とピッピが睨み合い、そして。

「ピッピちゃん、はたく!」

「蒼衣、念力!」

アカネちゃんのピッピの攻撃が決まるより早く、蒼衣の念力がピッピを襲う。

「よしっ!」

「あぁ!がんばれピッピちゃん!もっぺんはたくや!」

アカネちゃんの命令と同時にピッピは動き、蒼衣に攻撃を与える。
大丈夫、大きなダメージじゃない。

「蒼衣!瞑想で力を貯めて、」

指示を出そうとして、気付いた。
蒼衣の様子がおかしい。
顔を赤らめて、もじもじして…
これは、

「ふっふーん。ピッピちゃんの特性、メロメロボディやで!」

しまった…!
蒼衣は私の命令を聞かずにピッピを見ている。
…一か八か。

「……蒼衣。言うこと聞かない子は、しばらくおやつ抜きだからね」

じとり、と言うと、びくっと一度こちらを振り向き、頷いた。

「蒼衣、瞑想!続けて念力!」

すぅ、と蒼衣は集中し、力を貯める。

「な、何なんそれ!無茶苦茶やで!…ほんならピッピちゃん、とっておきのあの技や!指を振る!」

アカネちゃんがそう命令し、ピッピは指を振る。
…そして、

ぴょん。
ぴょんぴょん。

ピッピの はねる!
しかし なにも おこらない!
…思わず、そんなテロップが頭に流れた。

「えーっと…」

気まずい静寂。
いやいや、と首を振り、アカネちゃんは気を取り直して、

「もっぺん指を振る!!」

再びピッピは指を振り、その手に力を込めた一撃を放った。
これは、

「やったー!みたか、ピッピちゃんの空手チョップや!」

まともにくらってしまったが、効果はいまひとつ。
まだ…まだ、大丈夫。

「蒼衣、最大出力でサイコキネシス!」

「ピッピちゃん、往復ビンタ!」

蒼衣とピッピは同時に動き、そして。



「ああ、ピッピちゃん!」

「やった!蒼衣ありがとうー!」

倒れたのは、アカネちゃんのピッピ。

「もう怒ったで!今からが本気や!」

そう言ってアカネちゃんはピッピをボールに戻して、もうひとつのボールを振りかぶった。


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