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背の高いビルが立ち並ぶ中で、一際目立つ建物。
それが今私たちのいる、ラジオ塔。
その一角で、私たちは小さな緊張感に包まれていた。


「ファイナルアンサー?」

「……、ファイナルアンサー!」

ごくり、と息を飲む。
しばしの緊張が走り、そして。

「おめでとうございます!全問正解されましたので、このラジオカードを差し上げます!」

「やったぁ!」

うっかり勢いで「ボンゴレ」で頷きそうになったが、よく考えなくてもボンゴレなわけはない。

「いやぁ、あんたすごいなぁ。うち、最後の問題は絶っ対ボンゴレやと思ったわぁ」

あかんなー修業が足らんわー、と鮮やかなピンク色の髪の少女は言う。
呆気に取られて彼女を見てると、

「ん?うちの顔に何かついてる?え、違う?いややわ、あんたみたいな綺麗なお兄さんに見られたら、うち恥ずかしいやん!」

正直、イラッとした。
人に口を挟む余裕を与えないのは百歩譲って許そう。
しかし、私は女だ。
誰がお兄さんだ…!
(そりゃあ、この子に比べたら胸は小さいけど!)

「ちょっ、」

あのねぇ、と言おうとした瞬間。

「あ、ごめんなー。うち、そろそろ帰らなあかんねん!ほな、またねー!」

反論する間もなく、彼女は立ち去って行った。
蒼衣が何かを感じ取ったのか、一歩後ずさる。

「……蒼衣」

『な、なに?カナエ』

「こうなったら、今からジム殴り込みかけるよ」

今、思い出した。
あのピンクの子は、このコガネシティのジムリーダー…アカネちゃんだ。

いくら男の子みたいね、って言われることが多いからって、真剣に間違えられたんじゃ立つ瀬ってもんがない。
私は気合いを入れて、ラジオ塔をあとにした。


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