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ポケモンセンターについたけど、部屋の中は微妙な沈黙。
少し、居心地が悪い。
蒼衣もなぎも、風音ですらどうしたものかと困ってる。

「ねえ、翡翠?」

カナエちゃんは言った。

「カイトさんのこと、嫌いなの?」

その声は怒ってないけど、少し、悲しそうだった。
ううん、違うよ。
僕は首を横に振る。

「じゃあ、どうして」

わかんない。
わかんない、けど、
なんだかお姉ちゃんがとられちゃう、気がして

『もやもやしたの。カナエちゃんが、あの人と話してるの見たら』

え、とカナエちゃんは驚く。
そして、にっこり笑って言った。

「なぁに、翡翠。嫉妬したの?」

僕はこの気持ちの名前を知らない。
知らないけど、多分、"シット"。

答えないのを肯定としたのか、ぐりぐりとカナエちゃんは僕の頭を撫でる。

「可愛いやつめ。カイトさんはただの恩人だよ。それに、」

いたずらっぽく笑って言う。

「カイトさんに会わなかったら、私、翡翠に会えなかったかもしれないんだよ?」

私を博士に紹介してくれたの、カイトさんだからね。
と、カナエちゃんは言った。
カナエちゃんに会えないのなんて、それはやだ!

『カナエちゃん、ごめんね』

ぽつり、と僕は呟いた。

「いいよー、私は。次にカイトさんに会ったら、ごめんなさいするんだよ?」

『うん!』

僕は頷いて、カナエちゃんの腕に飛び込んだ。



すれちがいの、おわり。


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