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「…ラルトス?」

蒼衣とよく似た姿をした、ラルトス。

「そ!じいちゃん家遊びに来たら、裏の草むらでこいつ見付けたんだ。こいつ、すっごいなつっこいから、思わず」

なー、とヒビキくんがラルトスに言うと、ラルトスも『なー』と返す。
何だか微笑ましい。

「そうだ、カナエさんの蒼衣もこの辺り出身だよね?もしかしたら、ラルトス同士知り合いだったりして!」

そうだ、そういえば私がこの世界に来たのは、コガネシティの手前の道路だった。
蒼衣とも、そこで出会って。
何だか、本当に懐かしい気がする。

「蒼衣、出ておいで」

ボールから蒼衣を出してやると、辺りをキョロキョロと見、ヒビキくんのラルトスと視線が合うと、同時に『あ、』と小さく言った。

「どしたの、やっぱり知り合い?」

蒼衣は私の方を振り向き、言った。

『知り合い、というか、僕の兄弟…みたいな感じ』

え。

「うっそ!」

それはまた、驚いた。
ところが、私の声に驚いた人物が居た。
即ち…ヒビキくん。

「え、カナエさん…今、」

あちゃ。
うっかり蒼衣の言葉に驚いてしまったけど、そういえば私たちしか知らないんだよね、私がポケモンと話せること、は。
(横で蒼衣が『それは僕のせいじゃない』と言ってるのはとりあえず無視だ)

まあ、ヒビキくんなら蒼衣たちが擬人するのも知ってるし、話しても大丈夫、かな。
そう結論づけて、私はヒビキくんに今までの旅のことと不思議な出来事を話し始めた。


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