「おっ意外と綺麗にしてる。感心感心」

ぐるりと俺の部屋を見渡してなまえは歳上の特有に満足そうに笑った。その後何故かベッドにダイブした。実は、女の子を部屋に入れるのは初めてで少し緊張していた。そりゃ今まで彼女を作っていなかった訳だし、当たり前だ。

「この年頃の男の子ってベッドの下にエッチな本隠してるって聞いたんだけど…」
「馬鹿!無いから!」

ひょいっとベッドの下を覗いて今度はニヤニヤと笑った。ベッドの下には本当にエロ本なんてない。はっきり言ってそんなところに隠すお決まりなやつはもういないはずだ。最近はもっと賢く隠すのが主流だ。本棚に紛れ込ませるとかな。

「ほんとだ、無いや」
「なんでがっかりしてるんだよ…今飲み物持ってくるから大人しく待ってろよ」
「はいはい」

あちこち覗かないように、とまた念入りに注意し、台所からオレンジジュースを持って戻ってきた。

「あ、おかえり」
「…なにやってるの!」

確かにどこも覗いていなかったが、俺のブレザーを着て楽しそうに笑っているなまえを見て思わずボトルを落としそうになった。だってあれだろ、袖が長すぎて指しか出ていないところとか、女性的な部分を無くしてしまうぶかぶか加減とか、これが慌てなくてどうする!こういうことを狙ってやる女子は大勢いるだろうが、なまえの場合は間違いなく天然が成している。

「なまえ、ほんと、天然…」

赤くなった顔を隠すようにはぁ、とため息をついた。二年前はもっとしっかりしてるように見えたのは気のせいだったのか。水滴が付き始めたオレンジジュースをテーブルに置いた。

「襲われても知らないからな」
「ふーん…」

話に耳を貸す気はないらしく、ご丁寧にネクタイまで結んでいた。

「襲われてもいいのか?」
「まさか、真一そんなこと出来ないで…」

からかうように笑っていたなまえのことを押し倒した。いきなり視界が変わったので、何が起こったのかと茶色い目が何度も瞬きをしていた。

「出来るから言ってるんだろ」
「…ご、ごめん」
「今度やったら確実にストッパー効かないから覚悟しとけ」

今回はおでこにちゅーだけで許してやった。真っ赤になって額を押さえた歳上のなまえに、少しだけ優越感を覚えた。




「何やってるの半田…」
「ばっ」
「あ、松野くんこんにちは」

お願いマックス空気読んで。


110612
―――
マックス思いっきり出して書いてみたら半田が引っ込んだので落ちに回してしまいました。
いーたんお待たせしました!リクありがとうございました!




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