半田真一(24)とお巡りさん
剣城「跳べよ」
半田「はひぃいいい!(何で今時こんな古風なかつあげに会わなきゃいけないんだよ!)」
剣城「ポケットの小銭と札」
半田「なんで札まで!」
剣城「いいから出せよ」
半田「やだ!絶対!」
剣城「地味なモブキャラサラリーマンみてぇな顔してるおっさんのくせに生意気だなおめぇ」
半田「的確に弱点突いてくるんだけどなにこの子怖い!」
剣城「だったら早く金だせ」ぐい
半田「ひぇええええ」
『ちょっと君…』
半田「はい?」
『ああ君じゃなくて顔色悪いほうの』
剣城「あ?」
『そうそう君だよ君』
剣城「げっお巡り…」
『補導されたくなかったら手を離すんだ』
半田(お巡りさん…?た、助かった)
剣城「ちっ」
『逃がさないよ』がしっ
剣城「手ぇ離したら補導しねぇんだろ?」
『別に離したら許すなんて言ってないからね?^^』
剣城「この野郎…」
『話は署で聞こうかぶべしっ!』
半田「サッカーボール?!」
剣城「誰がお巡りなんかに捕まるかよばーかばーか!」
『こらまてこの餓鬼ぃいいい!』
半田「あの、大丈夫ですか」
『はい、大丈夫ですよ。それこそ貴方大丈夫ですか?かつあげされるとかマジウケる』
半田「すいません本音が丸聞こえです」
『あっごめんなさい本音がよくポロリするもので』
半田「……。」
『それより貴方も運がありませんね。今時かつあげになんて滅多にいませんし。不幸中の幸いで私が通りかかって良かったですね。その五千円札危うく奪われるところでしたよ』
半田「うわっ本音が…。えっと、なんで五千円札って分かるんです?」
『私はかつあげされても五千円は出したくありませんからなんとなーく』
半田(すげぇ…)
『貴方運無さそうなので何かあったらすぐに私に電話かけてくださいね。はいどうぞ』
半田「どうも」
110番
半田「いや当たり前」
『誰も個人情報なんか教えたくありませんよ!地味野郎!』
半田「もうポロリどころじゃないですよ」
『仕方ないですね…はい私の電話番号です』
半田「ありがとうございます…」
『女から電話番号貰ってその反応ですか』
半田「えっ女!?え?だってその警官服…」
『男物ですよ。この辺じゃ女だとなめられやすいんで形だけでも』
半田「そ、そうだったんですか…(女に助けられたんだ俺…)」
『このクズめ…』
半田「…俺の名前は半田真一ですので」
『あ、クズ言ってしまった。半田真一さんよろしく。今後はこんな形で会いたくないです』
半田「あなたの名前は?」
『名乗るほどのものじゃあありませんぜ…それじゃ困ったときには110番だぞ☆』チリンチリン
半田(自転車乗ってきてたんだ…)
『えっ財布落としたの?!』
松風「はい…」
西園「天馬がぼーっとしてるからでしょ!」
半田(かっこよく居なくなったと思ったら)
二十秒後の出来事でした。
―――
半田真一(24)
独身。普通に仕事してる。
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