先輩はとっても暇なのです


『エスカ・バメル。お前ちょっと海に飛び込んで鮫に襲われてみろ』

エスカバ「先輩、暇ですね」

『そうだ。よく分かった。行ってこい』

エスカバ「嫌ですよ。死にますよ」

『それが楽しいんじゃないか』

エスカバ「真顔で言うことじゃないですそれ」

『単刀直入に言う。死んでこい』

エスカバ「嫌です」

『まったく生意気な後輩だと思わんかねバダップ・スリード』

バダップ「えぇそうですね」

『バダップはいい子だな。ちょっとナイル川でワニに噛まれてこないか』

バダップ「ご遠慮します」

『ワニだぞ』

バダップ「ご遠慮します」

『ワニ旨いぞ』

バダップ「食べたいのですか」

『そうだな丸焼きで』

バダップ「ならば行ってきます」

『…ふむ。やはりいい子だ。エスカバは先輩に鮫を食わせてやろうとは思わんか』

エスカバ「フカヒレならご用意しますが」

『ホオジロザメで』

エスカバ「嫌です」

『…ジンベエザメ』

エスカバ「それは色んな意味で嫌です。というか怒られます」

『もうエスカバなんかコバンザメでいいわ』

エスカバ「了解しました」

『コバンザメって美味しいとおもうかサンダユウ・ミシマ』

サンダユウ「まだ食したことがございませんので」

『だろうな』

サンダユウ「当たり前です」

『時にサンダユウ。バッファローは牛に似ているな』

サンダユウ「はい。少々獰猛ではありますが」

『この赤い布をやる』

サンダユウ「闘牛ですか」

『そうだ』

サンダユウ「無理に等しいです」

『ならば丸々一匹狩ってこい。食べるから』

サンダユウ「御意」

『バッファローの部位はどこが一番旨いか比べてみる必要があるな。ミストレーネ・カルスはどこが一番旨いと思う』

ミストレ「ショルダーですかね」

『筋肉ムキムキでどこも美味しくなそうだよな』

ミストレ「会話が成立してませんよ」

『すまんステーキのこと考えてた』

ミストレ「食べる気満々ですね」

『その前にツチノコが見たい気分だ』

ミストレ「ツチノコはヘビが何かを飲み込んだ姿だと思われていますが」

『かもしれないだけだ』

ミストレ「可能性を信じる姿は美しいですが、ツチノコは毒があるので食べられません」

『そうか…残念だ…。ミストレはウサギと鳥どっちが好きだ?』

ミストレ「あえて言うならウサギです」

『ならば今日の夕食は兎鍋にしよう。くせはあるが旨いぞ』

ミストレ「嫌がらせですね」

『暇だからな』


―――
こんな先輩いやだ



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