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「ねぇー虎徹さぁーん」

「んー?なんだ?手、動かさなくていいのか?」

そう、あたしは絶賛テスト期間中。で、明日が提出期限のレポートに取り組んでいるところだ。しかも虎徹さんの部屋で。

「う…大丈夫、だもーん…多分。そんな事より水族館にいきたーい」

「ん?なら行くか、今度の休みに」

その代わりしっかり勉強しろよーなんてお父さんみたいな事を言われたけど、今のあたしには聞こえてない。
何気ない一言で決まった久しぶりのデート。
虎徹さんの仕事柄、定期的な休みが取れないのは分かっていたけど、一緒に出掛けるのは1カ月ぶりということもあって、あたしはとても嬉しかった。
今日は日曜だから、テスト終わりにでも友達と買い物に行って服を買おうかなぁなんて考えながら、デート当日まで楽しみでしょうがなかった。


デート当日。朝、虎徹さんから電話がかかってくると、近くまで迎えに来てくれたとのこと。あたしは行ってきますの掛け声とともに家から出ると、階段をかけ降りるとすぐに彼の車を見つけた。
向こうもあたしに気付いたらしく、車から降りると手を振り替えしてくれた。

「おはよー!」

「おお!おはよう、まゆ。テスト大丈夫だったか?」

「もちろーん!今日のために頑張ったもん♪」

「よし、偉いぞー!!」

そう言いながら頭を撫でると、助手席のドアを開け、車に乗せてくれた。
そして、虎徹さんも運転席に戻ると水族館へ車を走らせた。

水族館に着き、車から降りようとしたら虎徹さんに止められた。そんな事に疑問を持ちながら車内で待っていると、助手席のドアを開けて、降りやすいように手を差し出してくれた。
ありがとう!と言いながら飛び降りると、どわぁなんて声をあげながらもしっかり支えてくれた。

「折角かわいーかっこしてんだから、お転婆するなよー」

「え?何どうしたの?」

いきなり聞きなれない様なことを言うものだから、あたしの顔は一気に熱くなった。

「いやー、俺の為に服とか、髪とか巻いたりしてくれちゃってとか考えてたら、テンション上がっちゃったの、オジサンは!」

「虎徹さん、大好き!!」

ハンチングを目深にかぶり、赤くなった顔を隠している虎徹さんの腕に手を絡め、二人で歩き始めた。

Next...


水族館デートなのに、まだ中に入ってないよー(泣)

2013/02/27


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