「まゆ、おはよ♪」
今日も朝からご機嫌のルッス姉さん。
「オハヨーゴザイマス」
「あら、酷い顔」
片言で答えるあたしの頬を触る。
「う゛ぉぉぉぉぃ!!!!まゆ!!!!!まだかぁ!!!!」
またしてもでかい声で叫ぶスクアーロ。
「はいはい…ここにいますよー」
ひょっこりと手を挙げるとベルとフランが近付いて来た。
「まゆセンパーイ、おはようございまッ痛っ!!ベルセンパイ…ミーに刺さってますって」
「まゆだし…おはよ。いーじゃん、だって王子だし」
「オハヨー」
挨拶をするものの、止まらないナイフと口。
「う゛ぉ゛ぉ゛ぉぉぃ!!!!早く何とかしろぉい!!!!!!」
先ほどより一層でかい声で叫ぶカス鮫。
いちいちうるさいな…コイツも。
はいはいやればいいんでしょ…
「いい加減にしろぉー!!!!!!!!!」
あたしはスクアーロに負けない位の大きな声で叫んだ。
「「「「!!!!」」」」
ボス以外の動きがピタリと止まり、そのスキに銀食器がそれぞれの顔に当たるまで5mmの所に刺さった。
もちろんボスも例外ではないが、御自慢の超直感で未然に流される。
その時だった。
ヒュン…
誰が蹴ったのだろうか…
花瓶の破片があたしの死角から飛んで来た。
「まゆ!!!!」
いつもなら、避けられるはずだが、倒れている椅子に足をぶつけて動けない。
゛当たる!!!!゛
そう思ったあたしは咄嗟に目を閉じてしまった。
あれ??
痛くない?!?!
ぱっちりと目を開けると、目の前にボスの姿が……
「キャ〜!!!!さすが私たちのボス!!!!!!」
「え!!」
……助けてくれたの????
「ありがとう…ボス/////」
「フン」
その時のボスはいつもより数倍かっこよかった。
「ちぇ…今日はここまでか」
「やっと終わったぜぇ」
「ボス…今日も素敵だ」
「いたたた…」
「チッ」
「さぁ、みんな!!!!ご飯よぉ♪」
ルッス姉さんの掛け声でみんな席に着く。
その間あたしはボスの事を直視できなかった。
朝食が終わるとみんなは一斉に任務へ向かった。
残されたのは、あたしとルッス姉さんとボス…
しかしルッス姉さんはあと2時間後には任務へ行ってしまう…
ずっとずっと前からボスの事は好きだけど…でも!!!
こんな事になったのは初めてで。
「それじゃ行ってくるわ♪」
そんな事を考えているとルッス姉さんは楽しそうに出掛けてしまった。
「仕方ない…部屋でも片付けよ」
そして、部屋にこもり片付けを始めた。
すると、始めて1時間位たったその時…
リビングへ休憩をしに行ったその時、事件は起きた。
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