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「ボスッ!!!なんであたしなの!!!!」

あたしは今朝いきなり言い渡された任務の不満を言うため、我らのボス・ザンザスの所へダッシュでむかうと、ノックもしないで部屋に入り、デスクに紙を叩き付けた。

「あ"ぁ?」

「あたし、明日から休みのはずなんですけど!!」

ボスはレヴィに起こされた所為でメチャクチャ不機嫌で目付きが素晴らしいが、あたしも負けじと睨んだ。

「なんであたしが長期任務に行かなきゃいけないの!!ベルに行かせてよ」

「知るか……ベルは別の任務に着かせる」

と言う事はあまりだから任務に出される訳ね。え、でもスクアーロは?あたしが行かなくてもスクアーロが行けば「カスもお前と行かせる」

は?そんな話聞いてない…………あ、ほんとだ。よく読めば書いてあるのを発見した。
どどどどうしよう!!ルッス姉さん!!あたしどうしよう!!スクアーロと一緒なの?嬉しすぎる!!!!でも、でも…

「うぉ゛ぉ゛ぉぉい!!ザンザスぅ!!!俺らのヘリが来ねぇぞッゴフッ」

いきなりのデカい声にボスはグラスを投げ付けてスクアーロを黙らせた。

「んなもん用意してねぇ」


「「は?」」

「テメェ等は電車でも使ってろ」

「「えー!!(う゛ぉ゛ぉぉぉい!!!!!)」」

「フッ、施しだ」

ボスはそう言うと、スクアーロに封筒を投げ付け自室に入ってしまった。
しかし問題なのはこれからだった。

「1枚……?」

「しかもまゆの分だけだぁ…」








切符はあたしの分だけで、しかも"片道切符"…
ボスはあたしに帰ってくるなと!?!?
要はそう言う事か…あたしに先に行けと。スクアーロはヘリの手配をしとけと。あーもういいよ、行きます行きます。なんだよボスめ。ちょっと期待したのにな……
スクアーロと2人で電車とか想像してみたのに。
あたしは部屋に戻ると、荷造りを始め、そんな事ばかり考えていた。

荷造りを終えて、メイドに送って行ってもらおうとすると、スクアーロがやってきた。

「まゆ、駅まで送ってく」

「ほんと!!」

「うぉい、行くぞぉ」

駅までスクアーロが送ってくれる!!!やったぁ!!!!
あたしはルンルン気分で立ち上がろうと、スクアーロはあたしの荷物を持ち、ガレッジに向かった。
武器などを運び屋に運んでもらう手続きを済ませて玄関を出ると、既に車に乗ったスクアーロが待っていた。

「早くしろ、遅れるぞぉ」

「あ……ごめん!!」

やばい…格好良過ぎる。サングラスをかけて、髪を横で束ねていた。しかも隊服ではなく、私服。あたしはずっとドキドキしっぱなしだった。


しかし楽しい時間はあっという間に終わり、駅に着いてしまった。

「着いたぞぉ」

「うん…ありがと。あ、切符ちょうだ、んッ」


キスされた………
スクアーロにキス…された。

「えぇぇーーー!!!!!」

「うるせぇぞぉ…」

「え、ちょっ、えぇぇ!?!?」

突然の事にあたしは頭が混乱して状況に着いて行けない。少しよろめくとスクアーロが慌てて腕を引っ張ってくれた。

「早く行かねぇと電車行っちまうぞぉ」

「あ…うん」

名残惜しくて足を動かすのを躊躇ったがホームへ進めた。

「まゆ!!」

後ろを振り返るとスクアーロが駆け足でこっちに向かってきた。そしてあたしを抱き締めた。

「ちょっと!!ここ駅なの」

「大事な事言い忘れたんだぁ、許せぇ」

暴れるあたしの耳元でスクアーロはつぶやいた。

"まゆの事が好きだぁ、俺の彼女になってくれぇ"


あたしを腕から解放すると、付け足した。

「返事は向こう行ってからなぁ」

それだけ言い残すと、歩いて車へ歩いて行った。



片思い切符



"馬鹿…そんなのなるに決まってるでしょ。"



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何故片思いなのかと言うと
スクアーロはまゆちゃん→ボス
まゆちゃんはスクアーロ→メイドちゃん
だと思い込んでいるので、ボスがアイツもらうぞ的な事を言ったらしいので、ボスは協力したんでしょうね←
あんまりにも2人がくっつかないから……という言い訳を←

2010/09/12

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