プロローグ



『 れきしをかえてはなぜいけないの? 』

いつも無邪気に振る舞い、私を助けてくれた初鍛刀の
あの子が、昔馴染みの薙刀に投げかけた問い。
私はそれを、端末越しに眺めていた。

あの時、薙刀の彼はなんと返したのだったっけ。
肯定しなかったことだけは確かだ。
私の決断に、良い顔をしなかった一振りだから。

後悔はしていない。
していない、けど、思ところがないわけでもなくて。
ああ、甘い。
こういうところはよく、諫められたものだ。

これまでいろいろなことがあった。
あの日々を思い返すため、日記を手に取る。
就任日から今日まで、時々さぼりながら書きつけてきた。

…………私の、愛しい日々。


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