好き、だなんていわゆる告白をされたのは初めてで、どう返事をすればいいか分からずに下にあるつむじを眺めていた。


「好きなんです…岩泉先輩のことが…」


 今にも泣きそうな声で絞り出しただろう言葉に、胸がぐっと締めつけられる。俺をここに呼び出すのにも勇気がいっただろう。思いを告げるのに、それよりも何倍もの勇気がいっただろう。本気でなきゃできない。半端な気持ちで安易に答えを出すのは失礼だと感じた。


「…あー、えっと…まず、ありがとうな」

「…はい」

「で、…俺はお前のことよく知らないから、付き合うとかいうのは…ちょっと、できない」

「……はい」

「だから、まあまずは…友達からってか、お前がどんなやつなのか教えてもらう期間っていうか、そういうのが欲しい」

「…いいんですか?」

「お前がそうしたいんなら、だけど」


 我ながら優柔不断だと思う。しかしあんな風に好意を寄せられて、無下にできるはずもない。

 相手のことをよく知りもしないのに了承したり断ったりってのは失礼だ。部活や勉強に専念したいからという理由で断るのもなんか違う。せっかく俺を好きになってくれたんだ、きちんと答えを出したい。それがどんな結果になるか、今の所は神のみぞ知る…ってことで。







岩ちゃん好きだわー…これそのうち続き書きます。

150331