「ま、ままままま巻島くん、どどどどうしよううううう!!!」

「うるせーショ!なんだってんだいきなり押しかけてきて!」

「妊娠しちゃった三ヶ月目え!」

「…ハァッ!?ちょ、おまそれ東堂のか!?」

「尽八くん以外とシた覚えないし!多分そう!どうしよう!?」

「ど、どうしようっておまえ…とりあえずそういうことはあいつに言えよ…」

「それができたら苦労ないよー!どうしよう、どうしよう!?東堂家でき婚NGかな!?そうだったら巻島くん一旦預かってね、籍入れたら取りに来るから」

「落ち着くショ!なに真面目な顔してぶっ飛んだこと言ってんだ!?普通に考えて無理ショ!もういいからさっさと連絡取れ、な?」

「ううう、分かった…仕事中だし出るか分かんないけど……」

『もしもしなまえか、どうした!』

「うわああ巻島くん出たよ!?」

「そりゃ出るに決まってっショ!」

『巻ちゃんと一緒にいるのか!?』

「無理無理無理、心の準備まだ全然できてなかった!巻島くんパス!」

「パスすんな!オレにどうしろってんだ…」

『巻ちゃん、巻ちゃんか?なまえはどうしたんだ?』

「あー…えっとなー…なんつーか…オレの口からはちょっと…」

『ははあ、分かったぞ!なまえのやつ、また間違えて同じものを二つ買ったな?まったく、あのそそっかしさはいつまで経っても治らんな!』

「そそっかしいのはおまえショ……おいみょうじ、そろそろ心の準備とやらはできたか?」

「あっちょっと…もうちょっと…」

「待てるか!これ以上はオレも無理だ!オレの口からポロっと言っちまうより、ちゃんとおまえの口から言えショ」

「巻島くん…うん、そうだよね…」

「ほらよ」

「ありがとう。…尽八くん?」

『おお、なまえ!どうしたんだ?』

「あの、ええっと、そのお……なんていうか…」

『? 本当にどうしたんだ?』

「う、あ、あああ、あのね、じ、実はね、その、に、んしん、しました…」

「(言った!)」

『………』

「………」

『………は?』

「………」

『……妊娠?』

「そっ…そうなの、三ヶ月目で…」

『………母さんなまえが!懐妊だ!』

『よくやった尽八!ほらこれ!なまえちゃん迎えに行って一緒に書いて出しなさい!』

『なんだ、裏とはいえ騒がしいぞ』

『あんた、なまえちゃんおめでたよ!』

『よくやった尽八!』

『ちょっと、表に声聞こえるわよ』

『なまえちゃんのお腹に子どもが!』

『よくやった尽八!』

「………東堂家みんな声でけーショ…」

「…巻島くん…」

「…あー、おめでとな。よかったじゃねえか、オレが預からなくても済むらしいぜ」

「あっ、あ…うん…なんかすごいウェルカムモードでちょっと…ヒいてる…」

「クハッ!まー乗り気じゃねえよりいいショ。同居だろ?姑とも問題なさそうだ」

「そこは心配してなかったけどね…」

『なまえ!なまえ!』

「呼んでるぜ。ったく、スピーカーになってねえってのに丸聞こえってどういうことだ」

「尽八くん」

『今巻ちゃんの家か?』

「うん」

『すぐに行くから待っててくれ!』

「え、」

「いいよ、暇してたとこだしな」

『おお巻ちゃん!そっちに行ったらプロポーズをするから証人になってくれないか!』

「ネタバレすんなショ!!!」



 ──とまあ、こんな感じで嵐のような騒動がオレの目の前で起きて終わってったっショ。肝心のプロポーズの言葉?ああ、確か出会えたことに感謝だの好きになってくれて嬉しいだのなんだのつらつらとまくし立てて、まーでも最後は普通にオレと結婚してください、だったかな。私が幸せにしてあげるね、ってみょうじの返事のが男らしかったがな。







巻ちゃんのショに悩みながら勢いだけで書いたゴミ。初ペダル夢がこれか…。あれ、既視感がある。
結婚式のスピーチは巻ちゃんしなさそうだな〜って思いました。東堂は頼まれる前に自分がやることを決めてる。
ちなみに巻ちゃんが「そそっかしいのはおまえショ」って言ったのは、「ちゃんとゴム付けろよ婚前なのにデキてんじゃねーか」って意味です。
あとこれ巻ちゃん、ナチュラルに帰国してるね。

140918