仕事から帰ってくるとそこには、小さい子がいっぱいいました。うそぉ。しかも年齢はバラバラっぽい。三歳くらい、五歳くらい、八歳くらいに十歳くらいに十五歳くらい。あれ、私家間違えたかしら。いやいや一軒家だし間違えようがないでしょう。ここは確かに私の家よ。私、疲れてるのかしら……はっ、もしかしてこれが職業病!?


「お帰り〜」


 あ、私疲れてる。絶対疲れてる。目の前に突然人が現われるなんて、絶対に疲れてるんだわ。お昼にも子供たちに心配されちゃったし、今日は早く寝て、月曜までには元気ななまえ先生に戻らないと。


「あれ、無視?」

「きゃあああ近づかないでよ不審者!」


 いきなり近づいてきたその男に持っていたバッグを投げ付けたのは、正当防衛だと思う。



「ええっと、じゃあ話を整理すると、貴方は神様で主にあの子たちのいる世界を見届けている。理由は言えないけれど一定期間あの子たちを育ててほしくてここに連れてきた。ちなみにあの子たちの殆どが後の戦国武将。オッケー?」

「そーそーそーいうこと」


 信じられるわけがない。というか信じられる人のが少ないと思う。だってねぇ、理由は言えないってなによ。私巻き込まれてんだから理由くらい言いなさいよこの野郎。


「やっぱ信じらんない?」

「信じる信じないで言ったら信じるわ。ただ理解はあまり追いついてないけれど」


 信じられないけど、信じないわけにはいかない。そうじゃなきゃ話が進まないもの。


「それで、育ててほしいってどういうことなの?それも言えない理由に含まれてるわけ?」

「まあそうなるかな」

「じゃあもういいわ、あんたに聞くことは何もない。あ、養育費は置いてってよね」

「え、酷くない?」

「酷くない」


 女は強いものよ。それに、子育てでしょう?得意分野よ!ああでも、この子たちは納得していることなのかしら…?


「ねぇ、君たちはこの状況、理解してる?」

「…一応の話は、あいつから聞いてる」

「それじゃあ、私が君たちを育てるっていうのは大丈夫かな?」

「あいつよりも貴女の方が信用できそうだから、その点は心配していない」


 子供たちの中で一番大きい子に聞いてみたけど、なるほどこの神様どんだけ信用薄いの。いや、気持ちは分かるけれどね。私もあれは信用ならないもの。一先ずは穏便にことが済みそうで安心したわ。


「…ねえこれ、長期戦?」

「それなりにね。最低でも一年は覚悟しておいて」

「分かったわ。それで、養育費の件はどうなったの?」

「あ、神様協会に掛け合ったら負担してくれるって。はい、このカード使って。現金や現物が良ければそうするけど」

「そうね、現金はともかく、大型の車と人数分の布団を用意してもらえると有り難いわ。あとはカードで遣り繰りするし、さらっとこの世界のこと説明してご飯食べさせたりお風呂入れたり早く寝かせたりしたいから帰って。あ、車は燃費の良いので頼むわね、エコカーが良いわ。あとご飯食べるまでに8人掛けのテーブルと椅子と食器用意して。余分に子供用の椅子もふたつね。それとカラーボックスを人数分。あ、テーブルは今すぐ頼むわ」

「…うん、分かった…じゃあ、他は寝る頃までには手配しとくから…」

「ええ、宜しくね。じゃあ早く帰って」


 少し涙目になって、神様は帰っていった。女は強いものよ。さてと、あー何からしようかな。





初めまして







自分の中でブームだったんでしょうね、逆トリ。

140506