俺は美っちゃんが好きだ。そう言っても恋愛感情があるわけじゃない。この感情は家族愛、兄弟愛、いやむしろ、崇拝にも近いもの。俺は美っちゃんが絶対だと考えてるし、その考えに間違いなんてない。断言できる。

 だからといって美っちゃんが俺に死ねと言ったら(美っちゃんがそんなこと言うわけないけどね)死ねるかというと、そういうわけではないのだけれど。そういうのじゃなくて、美っちゃんは俺にとっての道しるべみたいな存在。小さい頃から俺が迷ってたらどんな時でも手を引っ張って歩いてくれた美っちゃん。俺が悩んでたら答えをくれた美っちゃん。

 美っちゃんがいないと俺は生きていけないし、逆に美っちゃんさえいれば生きていける。はずだったんだよね、きっと、昨日までは。


「あの、本好…くん?」

「俺は美っちゃんが好きさ、それこそ他には誰も要らないくらいにね、依存と言ってもいい」

「えっと、はい」

「美っちゃん以外何も要らない。そう思ってたんだ。でも昨日君と出逢ってしまった」


 君は美っちゃんみたいにいじめられてるところを救けてくれたわけでも、俺の道しるべになってくれたわけでもない。ただ俺の横をすれ違っただけ。

 でもたったそれだけで、俺は君を美っちゃんと同等かそれ以上に好きになってしまった、いや、美っちゃんとは少し違う、これは恋愛感情だね、だから俺は君のことを愛してるんだ。





「つまり何が言いたいかっていうと、俺と付き合ってください」





 答えは保留にしましたが、取り敢えず美っちゃんという子に興味が出ました。







つまり何が言いたいかっていうと、私の中で本好くんってこんな子

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