うちの本丸日記

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うちの本丸は今日も平和です。
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(2017/12/05 現在)
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-- 07/07 (金)

主「あー、いい天気。七夕がこんなにいい天気なのって、何年振りかな。星が綺麗だな〜」
三日月「主」
主「そ、その声は三日月さん」
三日月「良い夜だな。どうだ、一杯」
主「いえ、大丈夫です。明日もそこそこ早いので」
三日月「……そうか。ならば話の相手だけでもしてくれないか」
主「……なら、星の話をします。今日は七夕ですし」
三日月「星」
主「あそこの一際大きな輝く星、見えますか?」
三日月「え、あ、ああ。……あの星か?」
主「そうです。あれはこと座α星のベガ」
三日月「ある……べが……?」
主「織姫様ですよ」
三日月「……? …………ああ、なるほど。七夕伝説になぞらえているのか」
主「そういうことです。ベガの右斜め下側の大きな星は見つかりますか?」
三日月「ええと……あれか」
主「はい。あれはわし座α星、アルタイル。彦星様です」
三日月「彦星……」
主「アルタイルからまっすぐ左の大きな星、あれははくちょう座α星のデネブです」
三日月「織姫が乗っていく白鳥だな」
主「そうですね。この三つの大きな星を結んで、夏の大三角といいます」
三日月「ほう……主は物知りなのだな」
主「好きこそ物の上手なれ、星が好きなだけですよ」

三日月「その調子で俺のことも知ってほしいものだが」
主「………………」
三日月「ああ、すまん。困らせるつもりはないんだ。……主の事情は理解しているつもりだ。つもりだが、割り切れないこともある。割り切れないというよりは、そう、寂しく感じる。特に、最近鶴丸と仲良くなっただろう。俺はそれが羨ましくてな」
主「……三日月さん、酔ってますね」
三日月「主と飲む酒は進みが早くてな」
主「……私も、このままではいけないと、思ってはいるんです。思いながら、三年目を迎えてしまいました」
三日月「まだ俺が怖いか?」
主「……三日月さんが、今剣ちゃんくらいの身長だったらいいのになって思います」
三日月「石切丸も岩融も小狐丸も、俺より背が高い」
主「それは、それは本当に申し訳なく思っています……」
三日月「何故だ? 何故俺は駄目なのだ」
主「……詰め寄ってこない辺り、私のことを思ってくれているのはよく分かっています。私が、そういう優しさに甘えて、ここまできてしまったのは、ある意味では三日月さんたちのお陰です。……それでもまだ、怖くて仕方ない。美しい人は私にとってとても怖いものなんです。三日月さんは何も悪くない。悪いのは私です。三日月さんを怖いと思ってしまう私が悪いんです」
三日月「……主に、自分を責めてほしいわけではないんだ。主を責めたいわけでもない。悪いのは主に恐怖を教え込んだ輩だ、それは違えるな」
主「……」
三日月「主と、仲良くなりたいんだ。他愛もないことを話して、笑い合いたい。丁度、今夜のように」
主「……こんなに隙間が空いていて、真っ暗なのに、三日月さんこれで満足なんですか。私は、もっと……」
三日月「隙間が空いていて真っ暗ならば、主と一対一で話すことができると分かったからな。今はこれだ満足だ」
主「そうやって優しくするから、いつまでも私は……」
三日月「なに。俺が顕現したての頃は、姿を見るなり逃げ出していただろう。それに比べれば随分と仲良くなったと思わんか?」
主「……そう、ですね。あの時に比べれば、距離も縮まりましたね」
三日月「うむ。次は手酌でも頼もうかな」
主「ならば、明るい室内で。ここでは暗すぎますから」






日記
三日月さんと私で七夕
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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