誕生日は大切な人たちと過ごすものだ、と東堂くんは言う。だから家族とも、友人とも、恋人とも過ごしたいのだ、と。二人きりで過ごしたいとは、言わなかった。大切なものすべてを大切にする人だから、好きになった。

「お誕生日おめでとう、東堂くん」

 張り切って自分の誕生日を盛り上げるものだから、夜にはすぐに疲れて眠ってしまう。東堂くんの寝顔を眺めているこの時間が、私にとってはとても幸せで大切な時間。
 来年もこうして寝顔を眺められたらと思う。来年も、その次も、その次も。いつまでも東堂くんを好きでいたいし、好きでいてもらいたい。いつまでも、東堂くんの誕生日を祝える、大切な人の中にいられますように。