日常




…どうしよう……。











この状況……まずくない??






















仕 事 が 終 わ ら な い !!



















さっちゃんのばかーっ!!!
こんな量の仕事終わるかぁ!!!ふざけんなよしかも日高さんの報告書意味わかんない箇所あるし、せめて最低限誰が、いつ、何処で、何があった、結果はこうでしたくらいの箇条書きでもいいから詳しい報告書をよこせよぉおお!ちょいちょい抜けてるんだよぉおおおぉぉ…
しかも効果音的なのを書類に書かないでほしい。


溜め息をはきそうになりながら目の前の書類を一枚取って端末に打ち込み終わったものは所定のファイルに挟み込んでしまっていく。

データもわかりやすいようにファイリングしてさっちゃん基伏見さんの仕事が少しでも楽になるように処理をしていく。

私が今いる時間帯は特務隊も関係なく訓練の時間だったからフロアには誰もいない。
私がいる理由は一つだけだ。
伏見さんに書類の処理を頼まれ、淡島副長にも頼まれたからだ。
体動かしたいけど上司命令には逆らえない。


いっそ室長に頼まれてたら断るのになぁ…


あぁ、最近逆パワハラって多いらしいね。
やってみようかなって思ったけど、よくよく考えれば伏見さんの態度(舌打ち)って逆パワハラじゃね?
なんてくだらない事を考えてあぁ自分疲れてるなーなんて悶々と考え、ココアでも入れて頭に糖分を回そうと席を立った。



―――ガチャ


不意に扉が開く音が聞こえた。
誰か戻ってきたのかと思い給湯室から顔をのぞかせると機嫌の悪そうな伏見さんが戻ってきていた。

「チッ。」

…うわぁ、舌打ち聞こえたぁー…
スルーするのもあれだしと思って声をかけようかと思ったら、

「岩戸いねぇの?」
「はいはーい!呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん!」
「うざい」
「ごめんなさい」

なんて給湯室から顔を出して部屋にいる伏見さんと会話をする。
機嫌悪いと思ったけどそうでもないみたいで通常運転の伏見さんだった。

「コーヒー飲みますかー?」
「あぁ。」
「ちなみに私ココアです。」
「ガキかよ。」
「糖分が欲しいんです。後コーヒー苦くて嫌い。」
「ガキ。」

テンポよく伏見さんと会話をして束の間の休憩時間。
伏見さんが戻ってきたって事はもうすぐ秋山さんを筆頭に皆戻ってくる頃だと思う。
皆のコーヒーの準備だけして伏見さんのコーヒーとお茶請けで作ってきたココアのナッツ入りのクッキーをタッパーから5枚くらい出して持っていく。

「どーぞー。」
「ん。」
「あ、あと伏見さんに言われたとこまでのデータ整理のUSBと報告書です。」
「どーも。」
「そーいえば、伏見さんお昼どうしますか?」
「いらねぇ。」
「食べないと倒れますよー?」
「チッ自分の限界位把握してる。問題ねぇよ。」
「…サンドイッチとおにぎりだったらどっちがいいですか?」
「いらねぇ。」
「さっちゃん野菜嫌いだったよね。ならおにぎりにするね。」
「さっちゃん言うんじゃねーよ。つーかいらねぇ。」
「食えよ。」
「…チッ」

心の中で勝った!!と思いながら今日のお昼に食べようと持ってきていたおにぎりを取り出す。
ちなみにだし醤油等で味付けしたご飯に白ごまと千切り生姜とカリッとするまで焼いた油揚げを刻んで混ぜたおにぎりです。
とりあえず1つ伏見さんに生姜抜きのおにぎりを渡す。

「これなんだよ。」
「おにぎりです。」
「見りゃわかるつーの。味を聞いてんだよ。」
「きつねおにぎりです。油揚げが入ってるので。」
「普通梅干しとかじゃねぇのかよ。」
「あれ、伏見さん梅干し派でしたー?」
「いや、ちげーけど…」

若干戸惑っているような顔をしながらも渡したおにぎりを食べ始めた。
文句は言われないので味は問題無かったようだ。

2人で黙々と食べていると扉が開いて訓練から帰ってきたメンバーがぞろぞろと入ってきた。

「只今戻りました。」
「皆さんお帰りなさい。」

秋山さんに続いて加茂さん弁財さん榎本さん五島さんも私と伏見さんに挨拶して入ってくる。

「だー!腹減ったー!!」
「ホントだよねー。てゆーか日高うっさい。こっちまで腹減ってくるじゃん。」

最後に入ってきた2人は挨拶すら無い。
てゆーかうるさい。
確かにお昼休みに入るから問題は無いけど確実に伏見さんの怒りのボルテージが上がっている気がする。

その怒りに気づき始めた弁財さんが2人を窘める。

「お前らちゃんと挨拶くらいして入れ。」
「もどりましたー。」
「もどったっす。」

…とりあえずとばっちり来ても嫌だから皆にコーヒーを淹れようと給湯室に行くと秋山さんが私が用意していたもので淹れていた。

「あ…すいません。すぐ淹れられなくて…」
「あぁ、岩戸さん。準備しておいてくれてありがとうございます。」
「お茶請けにクッキー作ったんでよかったら食べて下さい。」
「ありがとうございます。ありがたく頂きますね。」

なんてほのぼのと会話をして秋山さんが人数分のマグカップをお盆で、私はクッキーをお皿に移して持っていく。

部屋に戻れば、伏見さんはやっぱりキレたようで舌打ちが聞こえる。
結局こうなるのかと目が合った加茂さんと苦笑いした。
空気を変えようと秋山さんが皆に手元のコーヒーを渡し、私もお疲れ様ですと声をかけながらクッキーを渡していく。

小休憩を取りながら皆仕事をする。

後で日高さんには報告書をやり直してもらおうと意気込みながら皆より早くとってしまった休憩を切り上げて端末と真剣に向き合った。







H(秋山さん)
A(どうした日高?)
H(このクッキーって岩戸さんの手作りっすか!?)
A(そうみたいだよ。)
H(っしゃー!これ残り食べていいっすか?)
A(お前なぁ…)
D(日高生意気ィー。独り占めとかふざけんなー。)
F(本人は皆でって言ったんだぞ?)
B(日高は子供じゃないんだから落ち着け。)
E(おいしいですよね。)
G(岩戸さんはお菓子とか得意って言ってたね。)
C(俺とはよく料理の話をしているな。)
E(今度俺も教えて貰おうかな…)
H(エノそれ以上女子力あげてどーすんの?)
E(え?)











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