ざっくり適当なあらすじ
・ネタばれ満載だよ!
・ユニバースはなんやかんやでどうにかなったよ!やったね!
・ニュクスの門番してたら引っ張られて中に入っちゃって気が付いたら三門市にいたよ!
・迅さんに拾われてなんだかんだ流れでボーダー加入させられてたよ!なくまーー!!
・でも、玉狛じゃなくて本部所属の忍田本部長派閥だよ!
・くまーー!!はB級上位ソロで槍を薙刀と同じようにして使ってるよ!
(1年間生身で戦闘してたんだから上の方に食い込めるでしょ。でも、ペルソナ使えないし、チームも組んでないからB級止まりで。)
・ペルソナは使えるけど、使わない。使ったら城戸司令怖そうだもん。でも召喚器は常時持ってるよ!
・拾われてから半年位経ってるよ!
・使うトリガーは弧月(槍)・隠密・瞬間移動・防御だよ!←New!
・普段オペレーターすら居ないから、オペレーターは手が空いてる人か、本部に適当にお願いしてるよ!←New!

からの、いきなり始まる大規模侵攻編

薄暗い室内で声が響く。

「…僕らの探し物が見つかった後は好きにしていいんだよね?ハイレインさん」
「……」
「あぁ。好きにしていい」
「感謝します」
「…どうも」
「お前たちには期待しているからな。問題は無いだろう」
「では、先にラービットと共に2人を送り出します」





《門発生、門発生。大規模な門の発生が確認されました。警戒区域付近の皆様は直ちに避難してください》

ズズズズズズ…と音を立てながら次々門が発生し、市民は避難活動を開始した。
急いで警戒区域まで走る。
トリオン体に換装し、障害の無い屋根の上をひたすら東へ走る。走る走る走る。
くまーー!!の頭上で門が開き、トリガーを起動させ、構え、出てきたモールモッド2匹へ斬りに掛かる。

「本部!くまだ近界民を排除します!」

周りで他のボーダー隊員が戦闘をしているのだろう。
凄まじいほどの爆撃音や建物の壊れる音がする。
ここが終われば、他の隊のフォローに入らなければいけないなーとゆるく考えながら2匹へと向き直り特攻を開始する。
攻撃をいなしながら少しずつモールモッド同士を引き離す。
1匹を無視して攻撃に入ったとしても、背後を取られないような距離になってから懐につっこんで切り裂く。
動きを止めた事を瞬時に確認し、もう1匹の方へ跳躍する。
瞬間移動を使い、一瞬で懐に入り込んで貫く。

「ふう。あっけないな…」

息をつくと同時に、倒した筈のモールモッドからバキバキと音がした。
振り返って確認すると切れ目から見た事の無い近界民が顔を出している。

「うっわー…なんだあれ。忍田さーんなんだか新型が顔を出したんですが、これ、どーします?」
《それはラービットだ。”トリガー使いを捕獲するため”のトリオン兵だと情報が入っている。B級は全隊合同で南部から市街地の防衛にあたってもらう。A級が合流するまで耐えられるか?》
「じゃー南に向かいながらでもいいですか?」
《構わない。もし、危険だと感じたら緊急脱出しろ》
「いやーそれなら意地でも耐えますよ」

行きますよーと気合を入れ、ラービット2匹にトリガーを向ける。
スピードもパワーをあるラービットをどう抑え込むか考えながら南へ走る。
途中、ラービットは市街地へ無差別に砲撃するわ、突っ込んできてどこかの民家に吹っ飛ばされるわ、散々な状態で走る。
こちらばかりダメージを喰らっているのは理不尽だ、といわんばかりに2匹に対して幻踊弧月も織り交ぜた攻撃をしながら確実に装甲を削いでいく。
ラービット2匹相手にヒビを入れ、あともう一歩といったところでドゴッと吹っ飛ばされる。

「くっそー!銃手系のトリガー入れとけばよかったなー!もうっ!」

ぼっちツラ過ぎ笑えない。
トリオン体の顔や、腕、背中にヒビが入り、トリオンが漏れ始める。
幸い、活動停止まではいかないようだ。

「っ!両防御!」

打撃に耐え、ふんばる。
落ち着いて息をつく暇も無い。
ガッと足を掴まれ、咄嗟に緊急脱出を叫ぼうとしたが、ラービットが崩れ落ちる。

「旋空弧月」
「え?」
「お、争奪戦の時の…くまだっつたか?」
「そうです、ありがとうございました。太刀川さん」
「俺のこと知ってんのか」
「そりゃA級1位を知らなかったらダメでしょう…」

あと、迅さんから聞いてるんで。と言えば、そうか、とにやりと笑う。

「で、あともう1匹のラービットももらっていいか?」
「お給料貰えなくなっちゃうんで駄目ですね。歩合制なんで」
「ま、駄目と言われてももらうがな」
「なら初めから聞かないでくださいよ」
「お前に1匹はつけといてやるよ」
「そりゃ、ドーモ」

じゃあ私はB級の方に合流させてもらいますね。と言い残し、現場を離れる。

「…やぁーっとくまーー!!ちゃんみーっけた」
「…行こう」

くまーー!!は東側に来た時と同じように、屋根の上を走りながら南側へ向かう。

《南西部付近の隊員は可能な限り、三雲・烏丸両隊員を援護しろ!》
「こちらくまだ。あと数十メートルでBの合同隊に合流出来ますけど、援護の方へいきますか?」
《いや、くまだはそのまま合流してくれ。出水達が居る場所を送ろう》
「了解」

淡々と足を進め、瓦礫を飛び越え、出水、米屋、緑川のもとへ合流する。

「どもー。くまだくまーー!!です。よろしくお願いします」
「おー。槍バカ2号来たか」
「やめてください出水さん、違います。槍バカは米屋さんだけで十分です」
「おいこら。ボロボロのくせに」
「新型1人で2体相手にしてたんですよ。仕方ないじゃないですか…」
「へーこの人が迅さんの弟子?」
「緑川さんですよね。迅さんからよく聞いてます」

見どころのあるヤツだから勉強になるぞと言われていたので、ランク戦見ました。と言えば、緑川は迅さんが!と言って喜び始めた。
その間に出水はオペレーターに連絡を取る。

「柚宇さん、柚宇さん。ヤツの情報ちょうだい。米屋と緑川とくまだの分も」
《ほ〜い。東さんたちの戦闘記録送るよ。詳しいことは東さんたちに訊いてね》

別役が粉砕されてたり、茶野隊がシールドごとやられていたり、荒船隊の穂刈、半崎が緊急脱出した記録を見た感想が思わず漏れ出す。

「へー。動きも勢いも豪快ですねー」
「あちゃー。ゴツいのに意外と射撃系じゃん。いずみん先輩と同じタイプだ」
「おー。弾バカ族だな」
「誰が弾バカだ槍バカ。東さん、出水です。米屋と緑川とくまだと一緒です。角付きと戦るんで、サポートお願いします」

射線が通る位置に隠れた東や、荒船から補足説明が入る。

《…!わかった。相手の射撃トリガーは性能が段違いだ。射程、威力、弾速、速射性も高い。撃ち合うなら足を止めるなよ。火力勝負になると厳しいぞ》
「だいじょぶです。弾避けが3個あるんで」
「「「おいこら」」」
《敵はイーグレットを止めるレベルのシールドを持ってる。ブレードも防がれるかもしれない。単発で崩すのは難しいぞ》
「荒船さん、了解です」
《そこの建物のデータがあったから送るね。“旧・三門市立大学”》
「おっ柚宇さん気が利く!」
「ありがとうございます」
「よし、行くか。作戦はMAP見て考えよーぜ」
「作戦って……このメンバーじゃ突撃しかなくない?」
「どう突撃するかを決めんだよ」

距離を取って4人で散った後、無線を使って作戦と言うにはお粗末な“臨機応変に”と、ざっくりとした計画を立てる。
出水が攻撃開始の合図代わりに変化炸裂弾を撃とうとしたが、人型近界民のランバネインのところに自分の頭上を越えて向かい、降りてくる2つの影があったのを見て手を止める。
タタンッと軽快な音で着地した2人を見て、ランバネインは口を開く。

「ミナト、リョージ、お前ら、また探し物は見つからなかったのか?」

仲間が来てしまったのかと、嫌な空気がボーダー側に流れる。

「いや、見つけた…」
「見つかったよ!だから、追いかけてここまで来たんだ」
「ほー。そいつはどこにいるんだ?」

ランバネインが訊くと、2人は声を揃えて呼びかける。

「「ねえ、くまーー!!、帰ろう?」」

バッと出水、米屋、緑川がくまーー!!を凝視してくる。
無線の向こうの本部もどういうことだ!?と騒いでいた。

「なんで…?」

どうして、と目を見開き驚いた顔でくまーー!!はつぶやく。
ふらりと歩き出し、向かおうとしたくまーー!!の腕を掴んで止めたのは出水だった。

「どーいうことだよ!?」
「あの2人は…私の、」
「ねえ、くまーー!!ちゃんの事、返してくれない?」

コツコツと歩き寄って来たのは、左目の下に泣き黒子があり、七分丈にシャツの袖を折りあげ、黄色いマフラーを巻いた青年だった。
咄嗟に出水は攻撃を開始する。
爆撃に包まれ、煙が立ちこめ、その間に出水に引っ張られて移動した。
米屋、緑川はランバネインともう1人の猫背でズボンのポッケに手を入れ、銃と片手で扱えるほどの長さの剣を腰に装備した青年へと向かう。
ランバネインは真っ向から迎え撃ち、猫背の青年はひらりひらりとよけていく。

「うわー。どうします?よねやん先輩」
「どうもこうもねーよ。殺るしかねーだろ」

緑川はスコーピオン、米屋は弧月の槍を構えて相手の動きに警戒する。

「…ランバネイン、おれ、綾時とくまーー!!を追いかける」
「そうか!行って来い、ミナト」

がははと笑いながら送り出す。

《出水、そっちにミナトと呼ばれたヤツが向かったぞ》
「東さんどーもっす。…で、くまだ、説明してもらうぞ」

足を止め、説明を求められた。
出水の行動は当然だろう、仲間として接していた人間に敵が親しそうに声を掛けてきたのだから。
だからこそ、偽りなく答えなくてはならない。

「…簡単に言えば、あの2人は、私が生きてた時の仲間だよ」
「生きてた時?お前、今、生きてんじゃん」
「元の世界でって言った方が正しい、かな。ちょっと色々あって、死んで、気が付いたらこの世界にいて、迅さんに拾われてボーダーに入隊したんです」
「は?」

突拍子の無い説明に出水は目を丸くする。
いや、だから、と続けて説明をしようとしたくまーー!!の言葉を遮る声が届く。

「くまーー!!ちゃんはまだ死んでないよ、死んでない。僕が、死なせない。…約束したもの」

追い付いてきたその人は右手を胸に当てながら首を傾け、儚く微笑む。
その微笑みを見て、死んでいなかったのかとか、え、ユニバースってどうなったの、むしろ詳しく分かってるなら説明くれ、結局お前らなんなの、各々状況把握が出来ずに、混乱する。

「え、え?ちょっと待ってよ綾時。何それつまり…つまりどういうことだってばよ!?」

くまだのテンパり具合に毒気を抜かれ、出水の思考は再度回転し始める。

「だーかーらぁー…」
「ちょ、ちょっと待て、一つ確認させろ。つまり、なんだ?くまだは近界民だったのか?」
「「いや、ちがう。でもなんかそんな感じ」」
「おいまて、ハモるな」

手を顔の前で振りながら否定と肯定をする。

「ここの世界で生まれて育っては無いから、この世界以外の者を近界民と呼ぶのなら、近界民でもあながち間違いでは無いですよ出水さん。けど、トリガーなんて技術は私たちの世界には存在しなかったし、近界民とかも存在してませんでした。だからよくわかりません。この場合ってどーなんの?私ボーダーに排除される系ですか?」

本部に聞くような発言をすると本部側も慌てている。

《近界民だとっ!当然排除だろう!》

鬼努田の怒号が飛ぶ。

《しかし、彼女は我々の命令を聞き、今まで従事していた!》

忍田が言い返せば、

《これからも従うとは限らんでしょう!》

仲間もいるようだしと根付も鬼努田に同意する。
最終的な判断を仰ぐように皆、城戸司令を見る。

《…たかがB級だ。我々に刃向うというならば、排除する。…どうするのかね?》

城戸が冷たく言い放つ。
今のテンパり具合を忘れたように、しっかりと言葉を返す。

「自分でもよく状況分かってないですけど、でも、私は


“ボーダーの迅さん”


に拾われてお世話になってます。恩を仇で返す気はさらさらありません」

しっかりとした言葉で返せば、城戸はならば、と言葉を発する。

《目の前の敵を排除したまえ、くまだ隊員》




to be continues.....


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